- 杉浦 繁
- Atelier繁建築設計事務所 代表
- 愛知県
- 建築家
対象:住宅設計・構造
スマートハウスってなんだ?・・3
では・・
今現在、一般的にスマートハウスと呼ばれている物っちゅうのは実際にはどういう物なのか?
まず・・
スマートハウスの「エネルギー消費を抑える家」にするために必要な物って何なのか?
ってことなんですが・・
それがHEMSと呼ばれる物。
HOME・ENERGY・MANEGEMENT・SUSTEMの略。
家の使用エネルギーをITを使って最適にコントロールするシステムです。
これに太陽光発電とか蓄電池とか省エネ設備機器やさらには電気自動車なんかを組み合わせて使います。
では、なぜそのHEMSが導入された家がスマートハウスと呼ばれるのかというと・・
HEMSを使った家を建てると、その名の付いた補助金がもらえるから。
まあ、そんなにたいした額ではありませんが、太陽光発電なんかと組み合わせるとそこそこの額になります。
つまり、その補助金がもらえるシステムの家をスマートハウスと名付けたからスマートハウスという言葉が今現在は定義されているということで・・
それは本来のスマートハウスの意味とは違う造語あるいは派生語だったようです。
建築屋ではなくて経済屋さんがそう名付けたので本来の意味とは違ってきた・・
ということなのでしょうか。
間違いなくスマートフォンのヒットとかにあやかってつけたんでしょう。
ようするにスマートってつきゃ何でもいいってことでしょう。
下手するとスマートハウスという言葉は元々あったことを知らなかったのかもしれません。
最近は・・
スマートビークル(時間貸しのカーレンタルのこと)とか・・
スマートキー(鍵を持ってるだけで開錠・閉錠出来るキー)とか・・
スマートインターチェンジ(人のいない高速のIC)とか・・
スマートガラス(透明度の高いガラス)とか・・
スマートオフィスとかスマートコニュニティーなんてのもあるそうですが・・
何でも頭にスマートつけりゃいいっちゅうもんじゃないでしょうに?
何だかちょっと前の何でもかんでも頭にECOをつけりゃいい!てのがスマートに変わってきただけなようです。
まあつけりゃ売れるんだからとにかく何でもつけりゃいい!のでしょう。
うちもスマートデザインとかスマートプランとか名付けて宣伝したら儲かるかしら?
言葉の流行に惑わされずに、その中身をしっかり見極めたい物です。
ECO何とかなんて、いったい何がエコなのかさっぱりわからんもんばかりでしたから・・
スマート(賢い)なんて何だって新しく開発した商品はみ~んなスマートですし・・
何をスマートにしているのかが大事です。
いずれにしろ、アメリカに行ってうちの家はウサギ小屋だけどスマートハウスだぞ!
なんて自慢はしない方がいいでしょう。
話が通じません。
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