三浦和義氏の逮捕と一事不再理の原則(5) - 刑事事件・犯罪全般 - 専門家プロファイル

羽柴 駿
番町法律事務所 
東京都
弁護士

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対象:刑事事件・犯罪

羽柴 駿
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(弁護士)
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閲覧数順 2016年12月05日更新

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三浦和義氏の逮捕と一事不再理の原則(5)

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そのような協力の下で行われた裁判で無罪判決が確定した時に、あれは外国の裁判だからうちとは関係ない、日本で裁判すれば有罪に出来るはずだ、などと考えるのは、いささか実情に合わないと言わねばなりません。
 なによりも、被告人の立場はどうなるでしょう。もしあなたが、海外旅行中に身に覚えの無い罪で逮捕・起訴されたとしましょう。必死になって無罪を主張し、長い裁判の末に弁護士の力添えもあって何とか無罪判決を受けて釈放されたあなたは、ようやく家族の待つ日本に帰国します。ところが、数年後にあなたは今度は日本の警察に逮捕されます。容疑は、あの外国旅行中の事件です。無罪判決でぬれぎぬをはらしたと安心していたあなたに検察官が言います−「あれは外国の判決。日本は日本だ。」
 こんなふうに考えてくると、今回の三浦氏の逮捕には大きな疑問を感じます。三浦氏という人物に対する評価がどのようなものであれ、一事不再理という刑事裁判の原則がないがしろにされる危険を感じないわけにはゆかないのです。
 私のような考えは未だ少数かもしれません。しかし、国際社会は間違いなく国境の壁を低くする方向へと向かっています。一事不再理の原則が国境を越える日がいつか必ず来るでしょう。その時、今回の逮捕は「かつてはこんな野蛮な捜査が許されていたんだ」と語り草にされることでしょう。