物件を案内してもらって、
幸いにも良い物件が見つかった!
良かったですね~。
そんなとき次に取る行動が、
購入申込書(買付と言うことも。以下、買付)を出す(書く)ことです。
買付を売主さんに出す順番で、
一番手、二番手といわゆる
「番手(つまり優先順位)」
が決まるのが、
今の不動産取引の一般なのですが!
そこには媒介を受けた売主側不動産業者の、
両手を巡っての思惑が大いに入り込みます。
策略、とでも言うのかもしれませんね。
例えばこんなパターン。
「自社で買ってくれそうなお客さんがいるのに、
最後の最後でイマイチそのお客さんが煮え切らない。」
「そんなとき、他社がお客様案内したいと言ってきた。
担当者の話を聞くところによると、
探していた条件とピッタリの物件で、
案内したらすぐにでも買付を出せそう、とのこと」
「買付が入るのは嬉しいが、
出来れば両手で決めたい。
しかし、自社のお客さんはまだどのような結論を出すか分からない。
そのお客さんの結論を待ってる間に、
ひょっとしたら他社のお客さんの熱も下がってしまうかもしれない。
そうなると両手どころかゼロになってしまう可能性も・・・。
片手を確実に確保するか?
それとも両手を狙うか?
う~ん困った!」
そこで後先考えない営業マンはこう考えます。
「ヨシ!こうなったら他社のお客さんを決まらなかった時の抑えにして、
自社のお客さんは結論が出るまで引っ張ろう!」
と安易に考えます。
結果、自社のお客さんの結論が出るまで、
他社の一番手のお客さんは
「いや~売主さんが忙しいみたいで中々。。。」
「一週間ほど旅行行かれてるそうなんですよ~」
と適当な理由をつけられ、
結論を長々と伸ばされることになります。
で、伸ばした挙句、自社のお客さんが結果ダメならば、
他社のお客さんで契約出来るでしょうから、
思惑通り、片手は確保出来た訳です。
だけど問題は自社でまとまってしまった場合です。
狙い通り両手にはなりましたが、
「ここまでさんざん引っ張った他社のお客さんをどう断るか?」
で頭をひねることになります。
しかし、上手い断り方などあるはずありません。
他社のお客さんもその仲介業者も、
当然こちらが一番手だと思ってます。
売主との条件交渉などもあるため、
本当に取引がまとまるかは現状では不透明ですが、
契約することを前提に色々と用意や、
希望に溢れた新生活なども思い描くでしょう。
それがある日突然、
売主側仲介業者から突然の断りの電話が入るのです。
「以前からご検討していたお客様が急に買いたいと言ってきまして」
「自社のお客さんなので出来ればこちらを優先したいのですが・・・」
などと突然言われても、
さんざん待たされたお客さんや仲介業者が収まるはずありません。
場合によっては大きなトラブル、
クレームになったりもします。
「どっちを優先するのか?」
で、本来関係のない売主にまで話が及び、
結果、どちらの話も壊れる!な~んてことも、
たまにあります。
このように目先の両手にこだわり、
策略を張り巡らせたところで、
ろくなことはありません。
もし両手を狙いつつも、
抑えとして片手を確保したいのであれば、
他業者が案内する前にその旨を伝えておくべきですね。
「実は当社で検討中のお客さんがいます。」
「結論はまだ出ていないのですが、
買うと決まれば申し訳ないが当社のお客様を優先したい」
「それでも構わないのであれば案内してもらって結構です。」
このように言っておけば、
トラブルになることはないですよ。
もちろん
「そういう状況ならわざわざ案内しないよ」
と、案内してくれないかもしれませんが、
それは仕方がないですよね。
「2兎を追うものは1兎をも得ず」
という格言の通り、
両手と片手、同時に追いかけることなど出来ないんですから。
策略を施すより、
正直に伝えることが何より一番ですよ。
まして不動産業界は、
「正直」
「マジメ」
ってだけで評価される特異な業界なんですから(笑)
不動産業者には、
「キミは不動産屋っぽくないね~」
って言われるかもしれませんけどね!
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