消費税増税法案がまもなく成立すると思われるが、全く隠れてしまったもうひとつの増税論を考えてみよう。
ねじれ国会や民主党の分裂や何かとお騒がしい中で予定通り消費税増税が成立しようとしている。これはこれで時代の流れによることや、東日本大震災によるところがある為やむをえない状況であると思います。
しかし、このごたごたの中で隠れてしまった”相続税・贈与税”の増税論があることを、報道はあまり伝えていないように思う。
これだけゴタゴタしていなければ、本来平成24年4月1日より施行される予定であったが、思わぬ誤算によりまだ成立していない。
しかし、消費税論議が終了すれば芋づる式に相続税等の法案も成立することでしょう。確かに今現在は全体で4%ぐらいの人が納税者ではあるが、この法案が成立し施行されると思われる平成27年1月1日以降の相続では、約8%の人が納税者となるようだ。
相続税!!関係ないや!!と他人事に考えていた人たちもその対象になることが考えられます。
一番簡単な例として、親子4人家族の典型的な家庭で、お父さんがなくなると、現行の基礎控除額は8000万円です。
ところが改正法によると、4800万円と大きく差が出てきます。建物と土地合わせて7000万円の相続財産とした時に、今までは相続税はありません。ところがこれからは7000万円から4800万円を差し引いた、2200万円が課税対象額となります。現行の速算表にあてはめてみると、約280万円の税額となります。
このまま国会がゴタゴタし続け、法案審議にも入らず、廃案になってしまえばなんということもありませんが、税収入が今後ほとんど増えない日本の現状を見ると、近いうちに必ず成立するものと考えます。争族となる前にじっくりと自分のところの財産を洗い直し、対策を練る必要があるかと思います。
このコラムに類似したコラム
相続税の増税と贈与税の減税 大黒たかのり - 税理士(2013/02/21 10:00)
相続税増税は先送りか 大黒たかのり - 税理士(2011/11/28 11:07)
【相続税質疑応答編-41 教育資金一括贈与特例に関する新しい通達が公表されました】 近江 清秀 - 税理士(2013/07/29 08:00)
【相続税質疑応答編-36 遺留分の減殺請求と相続税】 近江 清秀 - 税理士(2013/06/03 08:00)
【相続税質疑応答編-35 外国に住む外国籍の孫への遺贈って節税?】 近江 清秀 - 税理士(2013/05/20 08:00)