【最強ビジネスモデル】製品思考と市場思考。 - 新規事業・事業拡大全般 - 専門家プロファイル

星 寿美
プラウドフォスター株式会社 代表取締役
東京都
経営コンサルタント
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【最強ビジネスモデル】製品思考と市場思考。

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 【最強ビジネスモデル】  2012.07.27 No.0426
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今では、誰もが知るキシリトール戦略。

実は6年程前に
「話題のセミナー課長」として
とてもお世話になったベンチャー企業で
キシリトールの仕掛人
藤田康人氏をお呼びし
マーケティングセミナーを開催したことがある。

セミナーはお陰さまで
ものすごく面白い内容だった。

99.9%成功するしかけ
キシリトールブームを生み出したすごいビジネスモデル
藤田 康人(著)
かんき出版(2006/11/21)

に、その詳細は載っている。
セミナーでは本に書かれていない裏話や体験談も
聴く事が出来た。
それは、今考えるととても価値があり
いい体験だった。

昨日の記事「バリュープロポジション」の
実例として好例なのが、このキシリトール戦略だ。

今では駅でもコンビニでも
「キシリトールガム」は
当たり前のように売られている。
しかし15年ほど前は、
キシリトールと言う言葉は日本人のほとんどの人は
知らなかった。

それもそのはず。
キシリトールというのは、食品素材メーカーの
マーケティング担当者であった藤田氏が見付けた
フィンランドの虫歯に
なりにくい甘味料だったのだから。

キシリトール入りのガムは
従来の「味・香り」で勝負するのをやめて
虫歯予防という、全く競合のいない
新市場(ブルーオーシャン)を拓いた。

薬事法の関係や
歯科医が虫歯にならないとお客が減るなどの
心配から、キシリトール普及は当初、
かなり難航した。

しかし、
「虫歯にならないために歯医者に行く」
というビジネスモデルを作って
少しづつ歯科医の賛同を得たり、
1社ではなく、各社にキシリトールのガムを
作ってもらって、同時に並べたりするなどの
戦略を積み重ねた結果、
今の状態になっている。

歯科医やお菓子メーカーの潜在ニーズを
満たす事を実現しつつ、
キシリトールという価値を広める
ということに成功している好例である。
私の大好きな事例のひとつである。

潜在ニーズといえば、もうひとつ。

この戦略は各企業の戦略の他に
虫歯になる前の9割
(虫歯になる人は日本人の1割)
の人を顧客に取り込んだことで
潜在顧客規模を日本全体に広げた。

なぜ、それができたのか?
製品思考ではなく、常に市場思考だったから。

製品思考とは、たとえば
「ガムはお菓子」「歯医者は虫歯を治療する」

市場思考では
「健康な歯を維持したい」

今ある商品・サービスを市場思考で
見直してみよう。
まったく新しい価値が見えて来るかもしれない。

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■今日のまとめ

・同じ商品・サービスでも
 製品思考から市場思考へ発想の転換をすると
 全く新たな価値が生み出せる。

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