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河野 英仁
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中小ソフトハウスの知財戦略~著作権と特許権~

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中小ソフトハウスの知財戦略

~著作権と特許権~

河野特許事務所 2012年8月1日 執筆者:弁理士 近藤志津雄

 

 コンピュータプログラムを守る権利とその存続期間
 プログラムを守る法律として、著作権法と特許法があります。著作権は社員による著作物の完成と同時に法人に発生するのに対し、特許権は社員による発明の完成、特許庁への特許出願、審査、登録原簿への設定登録を経て出願した法人に付与されます。それぞれの権利の存続期間は、著作権の場合、公表から50年、特許権の場合、出願から20年です。

 著作権による保護
 委託者から中小ソフトハウスが受託し、社員により創作されたプログラムの著作権は、中小ソフトハウスに発生します。しかし、ビジネス慣行から契約書には委託者に著作権が移転する旨の条項が盛り込まれることが普通です。その場合、受託者はプログラムの複製、翻案等ができなくなります。それでも交渉次第で、創作したプログラムの著作権を委託者との共有にすることができます。
 プログラムの改変は著作権者人格権の中の同一性保持権を侵害する場合があります。著作者人格権は一身専属性を有し、譲渡できません。そのため、委託者は納品されたプログラムのバージョンアップができないので、契約に同一性保持権を行使しない旨の特約を付けることを要求してきます。この場合、受託者は契約に特約を付けるか否かを著作権共有に関する交渉の材料にすることができます。
 著作権はプログラムのアイディアではなく、その表現を保護します。そのため、第三者が他人のプログラムのアイディアを盗用して異なる表現により新たなプログラムを創作した場合、別個の著作物として権利が発生します。第三者による新たなプログラムの複製、販売等は、元のプログラムの著作権では禁止できません。著作権法による保護の限界がここにあります。

 特許による保護
 特許はアイディアを保護します。プログラムの特許が付与されている場合、第三者がその特許の技術的範囲に属する態様でプログラムを作成し、作成したプログラムを製造・販売等することは、特許権侵害になります。
 開発されたプログラムについて、大企業の委託者が特許出願することはあっても、受託者の中小ソフトハウスが特許出願することは少ないと思われます。特許は権利化に時間とお金がかかる割りに、すぐに利益に結びつかないからです。しかし、中小ソフトハウスが特許権を取得した場合、委託者も無断でその特許を実施することはできません。委託者が中小ソフトハウスの特許に興味を示す場合、特許権のライセンス又は譲渡は営業交渉の材料になります。一方、下請けからの脱却を図るべく、パッケージ商品を開発する中小ソフトハウスがあります。そのような中小ソフトハウスはパッケージ商品の設計段階で特許出願を検討すべきです。

◆著作権について質問がございましたら、お気軽に河野特許事務所までご連絡ください。

 

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