- 橘 凛保
- 社団法人橘流恕学アカデミー 理事長 講師
- 東京都
- マナー講師
対象:婚活
- 舘 智彦
- (しあわせ婚ナビゲーター)
今日は端午の節句です。
東京では鯉のぼりも見なくなりましたが、長く受け継がれている行事は、その意味を知れば,いっそう楽しむ事が出来ます。
鯉のぼりは、鯉が滝を遡る事から、男の子の元気な成長を願う気持ちが込められています。
天に勇壮に泳ぐ姿は、その家の男の子の姿と重なり頼もしい姿です。
菖蒲は 尚武(武道を重んじる事)勝負にも掛けて男の子のお祝いにふさわしいとなるようです。
刀にも似たこの葉の形は邪気を祓うとされ、軒先に掲げられたりもしました。
今でも、菖蒲湯につかる習慣は都会でも残っているようで、花屋さんの店先、スーパーでも見かけます。
柏餅をこの日に食べる習慣は、柏の葉は次の葉が出ないと、古い葉が落ちない事から、家が継承される事を意味しています。
核家族化が進み、「家」の概念も失われつつあるこのごろ、柏餅を味わいながら、なぜ柏餅なのか、少し感じるのも良いかもしれません。
東京の一世帯の平均人数が1.9人と先日発表がありました。
男の子のいない家庭でも、こんな話をしながら柏餅を召し上がるのも良いのではないでしょうか。
元々、端午の節句は中国から伝わりました。
戦国時代、楚(そ)の国の高名な詩人、屈原(くつげん)は国王の側近としてつかえ、人々からも慕われていました。
しかし陰謀のため国を追われることになり、ついに汨羅(べきら)という川に身を投げてしまったのです。
屈原の死を悲しんだ人々は、遺体が魚に食べられないよう、また、屈原への供物として、たくさんのちまきを川に投げ入れて、弔いました。その日が5月5日でした。
ところが漢の時代になると、里の者が川のほとりで屈原の幽霊に出会います。
幽霊の屈原が言うには、「毎年供物を捧げてくれるのは有り難いが、残念なことに、私の手許に届く前に悪龍に盗まれてしまう。だから、今度からは悪龍が苦手にしている楝樹(れんじゅ)の葉で米を包み、五色の糸で縛ってほしい。」 と言いました。
それ以来、楝樹(れんじゅ)の葉で米を包み五色の糸で縛って川へ流したので、無事に屈原の元へ供物が届いたのでした。
これが粽の始まりと言われています。
この風習は、病気や邪気を祓う宮中の行事となり「端午の節供」となりました。
やがて、日本にも伝わりました。
端午の節句にちまきを頂く時、こんないわれがあったのだと思いながら頂いてみるのも良いですね。
写真は、手のひらサイズの武者人形です。
ちょっとした室礼でも心を豊かにしてくれます。
皆様も兜を折って飾るだけでも良いと思います。
このコラムに類似したコラム
香港の「人日」のあいさつは「HAPPY BIRTHDAY」 橘 凛保 - マナー講師(2013/01/07 05:35)
五節句 そのはじめは「人日(じんじつ)」です 橘 凛保 - マナー講師(2012/12/31 09:27)
日本の伝統芸能 お箏(こと) 松井 千恵美 - インストラクター養成/起業コンサルタント(2015/06/03 11:13)
野に咲く花のように「一人を慎む」 by 橘 凛保 橘 凛保 - マナー講師(2013/10/10 10:53)
6246カンナスマイル@NY井手さん 橘 凛保 - マナー講師(2013/10/04 21:05)