遺品回収業の問題 - 民事家事・生活トラブル全般 - 専門家プロファイル

尾上 雅典
行政書士エース環境法務事務所 
大阪府
行政書士

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閲覧数順 2017年02月26日更新

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遺品回収業の問題

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NEWSからトピックを抽出 法律の内容を整理して解説

11月25日に配信したメールマガジンを転載します。

(ここから)
「遺品回収業」という事業をご存知でしょうか?


私自身は事業の名称は知っていましたが、遺品の整理が必要な場面に出くわ
したことがなかったため、具体的に意識したことはありませんでした。


最近では、「アントキノイノチ(←最初はイノキかと思いましたよ)」とい
う映画で、主人公の男性の職業として遺品回収業が描かれているそうです。


人が亡くなったとしても、遺品を整理する遺族が身近にいれば、遺品回収業
者の手を借りる必要はまったくありません。


しかし、最近では身寄りのない独居老人の孤独死が急増中で、「無縁社会」
というキーワードがささやかれることが多くなってきました。


遺族がまったくいない場合や、遺族があったとしても、遠方で居住している
ため遺品の整理が満足にできないというケースも多いため、遺品回収業者の存
在意義が高まっているのは事実です。


ただ、「遺品」の中には、誰もそれを必要としない不要物が必ず含まれてい
ます。


論理的には、遺品の中の不要物は、廃棄物です。


そのため、廃棄物となる遺品を運んだり、処分したりする場合には、一般廃
棄物処理業の許可が必ず必要となります。



ただし、一般廃棄物処理業の許可を取ろうとしても、各市町村の廃棄物処理
計画との兼ね合いで、誰もが許可を取得できるわけではありません。



そのような状況を背景とし、業界団体が資格を作り、啓発に努め始めたそう
です。

需要高まる遺品整理士 無許可、不法投棄の懸念も 健全化へ業界団体
http://www.chibanippo.co.jp/c/news/national/65318



しかしながら、いくら啓発に努めようとも、無許可は無許可
目的が手段を正当化することはありません。


とはいえ、高齢化と人口減少が同時に進む日本では、遺品回収事業の必要性
が高まっていくのも明らかです。


既存の一般廃棄物処理業者の中でも、現状に甘んじない企業で遺品回収事業
を始めたところがたくさんありますが、今後はそれらの先進的な処理業者のみ
では需要をさばききれない可能性が高いです。


今必要なことは、遺品回収事業の必要性を認め、
法律的な位置づけをキチンとすることではないでしょうか。


別に「遺品回収業法」のような法律を作る必要はありません。


市町村がその気になれば、「故人の遺品の収集運搬のみに限定する」といっ
た、廃棄物処理法の枠内で、遺品回収事業を定義することも可能です。


対象物を遺品のみに限定すれば、既存の一般廃棄物処理業者との棲み分けが
可能ですので、それほど大きな抵抗も発生しないと思われます。


なにせ、抵抗が生まれるほど旨みがある事業なら、とっくの昔に多くの処理
業者が取り組んでいるはずです。


遺品の運搬だけなら誰でもできますが、遺族の要望に応えつつ、礼を失しな
いサービスを提供するというのは、従来の処理業者の仕事とは違う内容の仕事
になります。



どこかの自治体が先鞭をつければ、比較的早期に全国に波及していくと思い
ます。


トップランナーになるのが好きな自治体は是非お試しください!(笑)

(ここまで)