シップリサイクル条例はビジネスチャンスを生むか? - リスクマネジメント・BCP - 専門家プロファイル

尾上 雅典
行政書士エース環境法務事務所 
大阪府
行政書士

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閲覧数順 2016年12月09日更新

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シップリサイクル条例はビジネスチャンスを生むか?

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12月2日に配信したメールマガジンを転載します。


「シップリサイクル条約」という条約をご存知でしょうか?


私は最近まで知りませんでした(笑)。


ただし、日本の各地で、シップリサイクル研究会が立ち上がっていることに
は、今年の年初から注目しておりました。

※ブログ関連記事
八戸市が船舶解体のメッカになる?


船舶解体リサイクル技術の革新




青森県八戸市、北海道室蘭市、そして愛媛県新居浜市


大型船舶の解体であるため、自動車のように大量に発生するわけはなく、
大規模なドックの保有が不可欠となります。


それでも、港湾を抱える地域が躍起になって研究を進めている背景には、
「シップリサイクル条約」の存在があったようです。



この条約、2011年現在ではまだ発効しておりませんが、2013年中の
発効が確実視されています。


だからこそ、各地域はそれぞれの地域の振興と産業の発展を企図し、いち早
くシップリサイクル技術の研究に入ったわけなのですが、シップリサイクル条
約とは、何のために存在する条約なのでしょうか?


国土交通省海事局船舶産業課国際業務室 のHPの内容を少し柔らかくして
みました。




シップリサイクル条約とは、
船舶の一生を通じ、特定の有害物質の搭載・使用を禁止、または制限し、船
舶に含有される有害物質の量や所在を記述したインベントリ(Inventory of
Hazardous Materials)に基づいて、船舶リサイクル施設でリサイクルすること
を定めた条約です。


条約の発効要件は、
1.15ヶ国以上が締結
2.それらの国の商船船腹量の合計が世界の商船船腹量の40%以上となり、
3.それらの国の直近10年における最大の年間解体船腹量の合計がそれらの
国の商船船腹量の3%以上となる国が締結
した日の24ケ月後に発効する とされています。


「船舶リサイクル施設は、安全や環境要件を遵守できることが担保されて初め
て締約国であるリサイクル国の政府から承認を受けられる」

「船舶リサイクル施設は各船舶のインベントリに基づき、有害物質をどのよう
に処理処分するかを明記した『船舶リサイクル計画』を作成する必要がある」

「船舶リサイクル施設は本条約に従って『リサイクル準備国際証書』を保持す
る船舶しか受け入れられない」


と、条約発効後は、「安かろう」「悪かろう」というシップリサイクルがで
きないということになります。


すなわち、「安全な解体」と「安全な廃棄物処理」を両立させなければ、
シップリサイクルができないわけですので、コストの面はさておき、日本に
技術上の優位性があるのは明らかです。


船舶の解体技術の研究は最近開始されたばかりのようですが、ハイテクでは
なく、ローテクの組み合わせになりそうです。


そのため、日本以外の国が研究結果を真似しようと思えば、すぐさま真似で
きるものになるかもしれませんので、日本としては、一日も早く解体技術を確
立し、先行者利益を確保したいところです。



船舶のリサイクルというと、大部分のメルマガ読者にとっては縁遠い世界か
もしれませんが、


世界的な潮流の中でリサイクル動向を読み解き、ビジネスチャンスとしてど
う生かすか という見方をしていただくと、一般的なビジネスマンにも応用で
きるテーマと思い、ご紹介しました。