早わかり中国特許:第3回 特許を受けることができる発明(第4回) - 特許・商標・著作権全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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早わかり中国特許:第3回 特許を受けることができる発明(第4回)

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早わかり中国特許

~中国特許の基礎と中国特許最新情報~

第3回 特許を受けることができる発明(第4回)

河野特許事務所 2011年10月21日 執筆者:弁理士 河野 英仁

 

(3)疾病の診断および治療方法

 疾病の診断および治療方法とは生きている人体または動物体を直接の実施対象とし、病因または病巣を識別、確定または除去する過程をいう。人道主義への配慮および社会倫理上の観点から特許を付与しないこととしたものである。さらに、これらの方法は直接生きている人体または動物体を実施対象としていることから、産業上利用できず、専利法上の発明創造に該当しないことにもなる。

 もちろん、疾病の診断および治療方法を実施するための機器または装置、および疾病の診断と治療方法の中で使われる物質、材料には特許が付与される

 

(i)診断方法

 診断方法とは生きている人体または動物体の病因又は病巣の状態を識別・研究・確定する過程をいう。

(a)特許されない診断方法

 命を有する人体または動物体を対象とする方法、および、疾病診断の結果または健康状況の獲得を直接な目的とする方法は特許の対象とはならない。例えば、血圧計測法、検脈法、足の診断法、X線による診断法、超音波による診断法、胃腸レントゲン写真による診断法、内視鏡による診断法、同位元素トレーサーイメージによる診断法、赤外線による無損診断法、罹病リスク評価方法、疾病治療効果の予測方法、遺伝子選別による診断法は特許の対象とはならない。

 

(b)診断方法に該当しない発明

 以下の場合は、専利法第25条第1項(三)にいう診断方法には該当しない。

 死亡した人体または動物体に対し実施される病理解剖方法

 診断結果または健康状況の獲得でなく、命を有する人体や動物体から中間結果とする情報の取得のみを直接の目的とする方法、または当該情報(形体パラメータ、生理パラメータ或いはその他のパラメータ)の処理方法

 診断結果または健康状況の獲得でなく、人体または動物体から分離している組織、体液或いは排泄物に対して処理または検査を行うことにより中間結果情報の取得のみを直接な目的とする方法、または当該情報の処理方法

 

(ii)治療方法

 治療方法とは、生きている人体または動物体の回復、或いは健康を取り戻す、若しくは苦痛を減少させるために、病因や病巣を遮断、緩和、または除去する過程をいう。例えば以下の治療方法は特許が付与されない。

(a) 外科手術による治療方法、薬物による治療方法、心理療法

(b) 治療を目的とする針灸、麻酔、指圧、銅貨に油等をつけて患者の胸・背中をこする民間治療法、気功、催眠術、薬浴、空気浴、日光浴、森林浴、看護の方法

(c) 治療を目的として、電気、磁気、音、光、熱などの輻射を利用した人体又は動物体を刺激又は照射する方法

(d) 治療を目的として、塗布、冷凍、ジアテルミー(皮膚を通した温熱療法)等の方式を採用した治療法

(e) 疾病予防のために実施される各種免疫方法

(f) 外科手術による治療方法及び/又は薬物による治療方法を施すために採用された補佐的な方法。例えば、同じ主体に返還される細胞、組織や器官の処理方法、血液透析方法、麻酔深度の監視方法、薬物の内服方法、薬物の注射方法、薬物の外用方法

(g) 治療を目的とする妊娠、避妊、精子数の増加、体外受精、胚胎転移などの方法

(h) 治療を目的とする整形、肢体の引張、減量、身長を伸ばす方法

(i) 人体や動物体の傷口の手当て方法。例えば、傷口の消毒法、包帯をまく方法

(j) 治療を目的とするその他の方法。例えば、人工呼吸法、酸素吸入法

 

 ただし、以下は治療方法に該当せず特許を受けることができる。

(a)義肢又は義体の製造方法、及び当該義肢又は義体を製造するために実施される計測方法。例えば、患者の口腔の中で歯型を作成し、体外で入れ歯を作製する入れ歯製造法は、最終目的が治療であっても、当該方法そのものは入れ歯の作製が目的であり特許を受けることができる。

(b)外科以外の手術により動物体を処置することにより、生長特性を改変する牧畜業生産方法。例えば、電磁的刺激を羊に与えることにより生長を促進し、羊肉の品質を改善する方法、若しくは羊毛の生産量を増やす方法など

(c)家畜の屠殺方法

(d)死亡人体又は動物体の処置方法。例えば、解剖、遺体の化粧、死体防腐、標本製作の方法

(e)単純な美容法。即ち、人体に介入せず、または傷を生じない美容法。皮膚、毛髪、爪、歯の外部等の見える部位の局所において施されるものであって、治療を目的としない身体消臭方法等が含まれる。

(f)病的状態でない人間や動物に心地良く、快適に感じさせるため、若しくは潜水、防毒など特別な状況における酸素、酸素マイナスイオン、水分を輸送する方法。

(g)人体又は動物体の外部(皮膚又は毛髪の上。但し、傷口及び感染部位は除く)の細菌、ウイルス等の殺菌方法。

(次号に続く)

以上

                                              (月刊ザ・ローヤーズ2011年7月号掲載)

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