矯正治療 メリットとデメリット - 矯正方法・費用 - 専門家プロファイル

高橋 滋樹
高橋矯正歯科医院 副院長
神奈川県
歯科医師
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矯正治療 メリットとデメリット

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矯正治療をやろうとする患者さんの多くは、でこぼこを治したいとか出っ歯を治したいとか、受け口を治したいとか具体的に希望をお持ちです。その具体的な希望に対して、歯は抜かなくてもできるだろうかとか、装置は上だけで大丈夫だろうかとか、取り外し装置ではできないのだろうかとか、いろいろな希望や疑問があり悩んでいることが多いようにも思います。

 

私は秦野市内の中学校の学校歯科医をやっており年に1度の歯科健診でほぼ全員の生徒の口腔内を診ます。残念なことに毎年何人かは、正直私だったら絶対に選択しないような矯正治療を行っている、もしくは行った形跡のある生徒がいます。

 

昨年の健診では、前歯は全く噛み合わずむしろ突出して出っ歯気味、奥がはかろうじて上の歯の内側と下の歯の外側があたっている程度という生徒がいました。矯正専門医が診れば

「ああ、これは上顎を拡大したのででこぼこは治ったけど、噛みあわせはだめになっちゃったんだな」

とすぐに分かります。

 

患者さんにしてみれば、歯も抜かず、おそらくは取り外しの装置で気になっていたでこぼこが治ったので良かったということになるのかもしれませんが、治療という行為としてそれで良いのだろうかと愕然とする瞬間です。

 

私はどんな治療行為にもメリットとデメリットがあると思っています。これは治療結果だけでなく、経済的な問題や費やす時間までをも含めてのことです。とりわけ矯正治療の場合、治療しなくても命に関わるということではありませんから、メリットとデメリットを差し引きして明らかなメリットがないと治療を受ける意味がない思います。

そこで問題となってくるのは、治療によるデメリットを患者さんが認識できていないことが多いということです。前述の学校健診でみた例は、

患者さんは「でこぼこがとれた、それも抜かずに取り外しの装置で!」

とメリットには気づいていますが、そこに本人にやお母さんにはみえていない噛みあわせが悪劣になったというデメリットがあります。患者さんが気づいていないのは幸せなのか不幸せなのかはおいておいて、専門家からみてこのデメリットは、メリットを充分消し去るほどのものです。むしろ治療をすべきでなかったとさえ感じるほどです。こういう治療は受けるべきではありません。

歯を抜かないこと、取り外しの装置で治療できること、これは治療を受ける上でのメリットであることは間違いありません。しかし、これは結果が伴ってのことです。

 

術者側に大きな問題があります。デメリットが明らかに大きい治療計画を立ててはならない。もしかすると、術者側も矯正治療の経験がたりず、そういうデメリットに気づいていないのかもしれません。そんな歯科医師に矯正治療をしてもらう患者さんは気の毒です。矯正治療自体、歯科の中では非常に特殊な治療です。矯正専門で開業している歯科医師のほとんどは、大学を卒業後大学病院の矯正科を始めとする研修施設に在籍し勉強をしています。資格的には歯科医師であれば、矯正治療を行うことになんら問題はありませんが、産婦人科の先生が眼科の診療をしないように、専門性が大きく異なります。

 

   私が信頼してインプラントの治療を頼む横浜の先生がいます。全国でも先駆けてCTを自分の診療所に導入した先生です。その診療所に見学に行った際、思ったより臨床件数が少ないことに少し驚きました。僕は

「せっかく高額なCT導入してもあまりインプラントの本数が多くないですよね」と聞くと

「きっちり検査すると、インプラントの適応というのはそれほど多くない。その場合はインプラントを使わない方法で治すんだ。だからインプラント本数が何千本あるとか宣伝してるところはむしろ怪しいと思うんだよね」

と言っていたのを思い出します。

 

矯正でも同じ。

「すべて抜歯をしないで治します」「すべて取り外し装置で治します」というのは、すべてそういった方法で治し始めているのは事実でしょうが、すべて良い結果が出ているとは限らないと僕は考えます。抜歯に関して言えば、おそらくすべての矯正医が「治療結果が同じなら抜歯しないで治療したい」と考えていると思います。装置に関して言えば「治療結果が同じなら取り外し装置で治療したいけど、やはり固定式装置にくらべ治療結果が劣る場合が多い」と考えている矯正医が多いと思います。

 

とりわけ、抜歯しない とか 取り外し装置だけでできる とか 極めて短い時間で治療できるとか 嬉しい説明があったときは、それによるデメリットが無いのかと逆に質問されるほうがよいと思いますし、今はセカンドオピニオンをきくというのは全く恥ずかしいことではありませんので、矯正専門開業医のセカンドオピニオンを聴くということは時間と費用を必要とする治療ですのでぜひ行うべきことではないかと思います。

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