ひきこもり、何につまずくか <2> - 特定業界への転職・就職 - 専門家プロファイル

松尾 一廣
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ひきこもり、何につまずくか <2>

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ひきこもりのきっかけについて、竹中哲夫さんが『ひきこもり支援論』(明石書店)で書いておられる一部を別コラムで紹介させていただいた。ここで書かれていることの大半は、キャリアカウンセラーの専門領域である。

 多くの親は、わが子が自室に閉じこもったり、外出しなくなると、行政の相談窓口や臨床心理士や精神医療の専門家に相談を持ちかけるが、かえって問題をこじらせてしまい、解決を長引かせてしまうことがよくある。

 その理由は、キャリアの専門家としての視点からのサポート力が乏しいことが大きい。「何が原因か」と過去のトラウマや疾患探しを優先しがちだからだ。仮に「これが原因であろうという」何かが見つかったとしても、その治療方はかえって解決を長引かせてしまう。キャリア形成の道に踏み出す最初の一歩になるところにはなかなか結びつかない。

 例えば心理士のところに行って心理テストによって、あなたは「こうこうだ」と決めつけられることで、当事者は萎縮したり、逆に反発して治療を拒否する場合もある。ただ聞いてくれるだけで、どうしたらいいのか結局分からない、という当事者からの声もよく聞く。

 医療機関にかかって、薬によって一定の状態は保たれるようになったとしても、それはキャリア形成に踏み出すエネルギー源にはならない。例えて言えば、一定の傾きをとりあえず支える家屋の「つっかえ棒」のような働きはするものの、過重を支える土台部分の構築とは結びつきにく。

 もちろん状態にもよる。原因が本当に精神疾患、器質性の病気によるものならば、まずはその治療を優先しなければならない。しかし、医者の判断で、新たな居場所を見つける活動をしてもよい、あるいはキャリア形成に踏み出す準備をしてもよい、という状態になっているなら、並行してキャリアの専門家を訪問することをお勧めしたい。

 ただし、どんなキャリアカウンセラーでもよいというわけにはいかない。臨床心理のことを知らないカウンセラーであれば注意を要する。当事者の心の状態を理解せず、いきなり、高いハードルを設け、次々に課題を与えてしまうことも想定される。たちまちにして前へ進むことを拒絶。せっかくのエネルギー回復をしぼませてしまうことになるだろう。

 キャリアの専門家といえども、メンタル面に知識を有していないと、サポートは難しいのだ。一見、元気そうでもまだまだ傷つきやすい当事者への支援は、どうあるべきか、その学びと経験が要る。

 さらには、ひきこもり当事者だけでなくご家族へのサポートも、重要な役割を果たす。家族相談の専門知識を有し、家族の中で起きているさまざまな問題を整理し、解決に向かうためのサポート力を持つカウンセラーが求められる。

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