- 小形 徹
- 小形 徹 * 小形 祐美子 +プロスペクトコッテージ 代表
- 建築家
対象:住宅設計・構造
< 窓辺のベンチですごす、心地よさ >
古いRC造の建物をスケルトンリフォームしたこの家には、敷地形状を反映した
不思議な角度を持った壁や梁があった。
計画を進めている中、道路に面した腰窓の前に不思議な一角ができた。
ここに窓辺のベンチを設えた。
ムクのマツの集成材で作られたこのベンチは、建主である母親とその子供たちが語り合い、
あるいは夫婦で静かに過ごす、そんな場所になった。
西欧では、窓前の一角をウィンドウ・シートと呼ぶコーナーに仕立て上げることが多い。
ここに腰掛けて本を読んだり、お茶をしたりする、そんな場所である。
暖炉をに目をやったり、読みかけの本がおいてあったり、ホットワインや・・・。
そんな、あたかもそこに住まう人自身のような、暖かな場所。
ここに座っているとまるでこの部屋の一部になったような、不思議な安心感が生まれてくる。
既存の建物の構造上の制約と、新しい内部空間との間に生まれた不思議な窓辺。
背後の窓からの暖かな光に包まれている時間は、とても幸せで、静かで豊かな広がりがある。
これからの家族の暮らしをやさしく見守るベンチとなった。
そんな窓辺のベンチの<心地よさ>。
大田区山王 H 邸 / スケルトンリフォーム / RC造5階建て建物の4階部分
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