本来の射程
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2005-11-21 05:05
以前にもホワイトバンドのことを書いたのだが、
あの呼びかけ自体は否定するつもりはない。
300円の使途が寄付ではなくても、
「政治家を動かそうぜ」という呼びかけなのだから、
それが有効に使われるのであればOKだろう。
国のトップに切り込んでいくためには経費も掛かることだろう。
裏金だって必要なのかもしれない。
プロセスの正義が感じられなかったとしても、
結果それで恵まれない人が救われるのであれば、それでいいと思う。
裏金があるかないかは別にしたって、
ガラス張りの会計であっては、実際のところ何もできないだろう。
ブラックボックスの向こうにも人の善意があるなら、否定しない。
しかし、日本でのホワイトバンドは、(よその国のことは知らないが)
つまらないところでゴタゴタしているうちに、本来の射程を失ってしまったように見える。
僕はべつにアンチ・ホワイトバンドなのではなく、
ただ残念なのである。
やろうとしていたのは良いおこないだったハズなのに、
その方法を誤って、大きな関心を引きつけたままコケてしまった。
「ほっとけない」なんて、妙なコピーつけないで、
もっと真正面から正直にやってくれていたら良かったのになぁ。
関心はあったけど、なんか気持ち悪いってんで躊躇していたひと、
僕もそうだが結構いるのではないかな?
「不遇な人がいる、そのことを残念に思う」ということが、
ファッションとも流行ともビジネスとも無縁のところで、
素直に意思表示ができるようになることを心から願っています。
いまはとりあえず、ひとつだけホワイトバンドを買って(でもそれは着用せず)、
あとはユニセフに募金します。
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このコラムの執筆専門家
- 須永 豪
- (長野県 / 建築家)
- 須永豪・サバイバルデザイン
響きあう木の空間
森や山と人、地球が健全に回っていく様子を見届けたい。 木を街に届け人の営みに森をもたらし木が、森が、地球が、生命が、人が、そして星々や宇宙までもが響あいはじめるそんな木の建築空間宇宙の意図が起動する響きあう木の空間をつくろう