- 杉山 孝
- 株式会社キャリア・クリエイト 代表取締役 人材コンサルタント
- キャリアカウンセラー
対象:キャリアプラン
- 宇江野 加子
- (キャリアカウンセラー)
- 冨永 のむ子
- (パーソナルコーチ)
最近、そこかしこで耳にするキャリア・デザインってコトバ。「何のこっちゃ?」と首を傾げるみなさんも多いんじゃないだろうか。簡単に言えば、「自分のキャリア(人生)を自分でデザイン(設計)しよう!」ってコトなんだが、これが結構難しい。
私たちの国では、戦後50数年間に渡り、労使間には日本型雇用慣行(年功序列・終身雇用・企業内組合)という暗黙の雇用ルールが存在していた。従業員にはキャリアの選択権が無い代わりに、会社に言われたとおり従順に仕事をしていれば、歳を重ねる毎に給与は上昇し、定年までの雇用も保証されるというルールだ。
つまり、私たちも私たちの親の世代も、自分のキャリアを自分でデザインする必要なんてなかったわけで、多くの人が「50歳過ぎて、突然キャリア・デザインなんて言われたって…」と思うのも無理はない。
とはいえ、実は戦後キャリア・デザインが話題に上るのは、今回がはじめてじゃない。前回は1990年代中盤、バブル経済が崩壊し、企業は従業員のリストラをすすめる最中、「会社と社員は家族じゃない、各人自らが自身のキャリア・デザインを…」などと言っていた。まぁ、あんな状況下で「キャリア・デザインを…」なんて言われたって、素直に聞く耳など持てるわけもないんだが…。
で、今回の団塊の世代の一斉退職時期である。前回と大きく違うのは、リストラというネガティブな状況下での話ではないということ。確かに、慣れないコトを考えるのは楽じゃないけれど、「自分の人生を自分でデザインする」って、冷静に考えたら至極当然の話。何せ、自分の人生なんだから…
親として、会社人間としての責任を果たしつつある今、たった一度の人生を思うように生きてみるのもいいんじゃないでしょうか?!次号からは、具体的キャリアデザイン手法と実例に入っていきましょう。
※当コラムは、2007年9月~2010年3月まで11回にわたり「十人十色」(発行:静岡暖快倶楽部)に掲載された内容に一部修正を加えたものです。
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