KSR最高裁判決後自明性の判断は変わったか?(6)第6回 - 企業法務全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
河野特許事務所 弁理士
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対象:企業法務

村田 英幸
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(弁護士)
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閲覧数順 2016年12月07日更新

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KSR最高裁判決後自明性の判断は変わったか?(6)第6回

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   米国特許判例紹介:KSR最高裁判決後自明性の判断は変わったか?(6)
      〜公知要素の組み合わせとMPFクレーム〜(第6回) 
   河野特許事務所 2010年1月26日 執筆者:弁理士  河野 英仁

                Fresenius USA, Inc., et al.,
              Plaintiffs- Appellants,
                 v.
               Baxter International., Inc., et al.,
               Defendants-Cross Appellants.


争点2:対応する構造・均等物が開示されていない
 CAFCは先行技術中に透析液送出手段に対応する構造、またはその均等物が開示されていないとして非自明と判断した地裁の判決を支持した。
 434特許のクレーム26はMPF形式で記載されており、以下の構成要件「透析液送出手段」を含む。
「血液透析器の透析液分室へ透析液を送出する手段」

 MPFクレームの特許権侵害の判断にあたっては機能分析のみならず構造分析までも同時に行われる。すなわち、イ号装置が同一の機能を果たすことが必要であり、さらにイ号装置が特許明細書に開示された構造または当該構造の均等物であることが必要とされる。これと同様にMPFクレームの構成要件が開示されていると主張するためには、機能分析だけでは十分でなく構造分析が要求される*10。すなわち、先行技術に明細書に記載された構造物、またはその均等物が開示されていたことを示す必要がある。

 明細書には透析液送出手段に対応する構造としてマイクロプロセッサ及びステッピングモータが記載されていた。先行技術にはこれに対応する構造は記載されていなかった。以上の理由により、CAFCは「透析液送出手段」が開示されていないとした地裁の判断を指示した。また組み合わせが容易か否かについても、「透析液送出手段」が先行技術中に開示されていないことから、自明でないと判断した地裁の判決を支持した。

 以上のとおり、131特許については特許無効、434特許については特許は有効であり、434特許に対する特許権侵害が認められた。
                                   (第6回へ続く)

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