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対象:企業法務
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〜人民法院の類似判断〜(第4回)
河野特許事務所 2009年12月14日 執筆者:弁理士 河野 英仁
重機株式会社
原告
v.
標準ミシン機械有限公司等
被告
5.結論
人民法院は、外観設計特許権の侵害を認め、被告に対し、イ号ミシンの即時製造・販売停止、約9万元の損害賠償の支払いを命じた*6。
6.コメント
模造品に対しては本件の如く外観設計特許権が非常に有効であることが理解できる。その一方で、侵害行為が中国で行われることから、被告のイ号製品の販売数量、利益額等の情報を入手することが困難な場合が多い。模造品の製造及び販売の即時停止が訴訟の主たる目的であれば、負担は少ない。しかし、多くの損害賠償金を望むのであれば、調査会社を通じた被告に対する徹底した調査が必要となるであろう。
また、訴訟前は公証所による公証手続きが重要となる。本事件においても北京の販売店でイ号製品を購入する場合は、公証付きでの購入を実施している。公証付きで証拠を提出しないと、被告は必ず「それは第3者が製造したものである」との抗弁を行う。そうするとその段階で敗訴となる。イ号製品の他、領収書、カタログ、Webページを印刷したもの等、人民法院に証拠として提出するものは、全て公証を得るように心がけたい。
その他、原告が請求したイ号製品及び加工設備の廃棄処理請求に関しては、人民法院はこれを認めなかった。人民法院は、その理由として、被告に対しイ号製品の製造・販売を即時停止する以上、これ以降の侵害行為の発生を防止することができるからであるとした。
さらに、謝罪広告請求に対しても、人民法院は、被告の侵害行為によって原告の商業上の名声に損害が生じているとはいえないことを理由に、当該請求を棄却した。
判決 2009年9月3日
以上
【注釈】
*1 専利法第2条は以下のとおり規定する。
本法でいう発明創造とは、発明、実用新案及び意匠をいう。
・・
意匠とは、製品の形状、模様またはそれらの組合せ、及び色彩と形状、模様の組合せについて出された、美感に富み、工業的応用に適した新しいデザインをいう。
特許庁HP
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/shiryou/s_sonota/fips/mokuji.htm
参照
*2 JUKI工業HPより(http://www.juki.co.jp/topics_c/pdf/n090617c.pdf)2009年6月17日
*3 知識産権新聞http://www.cipnews.com.cn/
*4 第3次改正前は専利法第60条に規定されていた。
*5 法釈(2001)第20号第21条
*6 (2009)二中民初字第923号
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