歯科医院の診療室の窓なのだが、デザインがおもしろい。
おもしろいというのは遠回しな賛辞で、他にも''グロテスク''とか''悪趣味''など色々な言い方ができると思うのだが。
しかしこの悪趣味という言葉ももはや、私の中では最大の賛辞であるだろう。
なにしろ施主が一番喜んでいるのだから。
ここまできたら、とことん悪趣味に徹すれば、このステンドグラスが究極の癒しになるだろうと。
これぞオーダーメードでしか実現することのない満足感と達成感なのだ。
さて、デザインは歯科大教授である施主の専門著書の挿絵より、奥歯、永久歯、神経、細胞、毛細血管(本当は○○腺とかいう名称がある)をモチーフにし、幅5m、高さ1.3mの特大ステンドグラスなのだ。
赤、青、緑の原色を用い、しかも診察台の正面に設置される。
しかし、これを設置してみると素晴らしく、「う〜ん、癒されるな〜」なんて思ってしまうから不思議だ。
昼休みに近隣の店に立ち寄ると、「今日は歯医者さんにすごいステンドグラスが入る日なんだよ」とその話で持ちっきりのようで、施主も相当楽しみに待って下さっていたことが伺える。
冥利に尽きます。