心理学的「上司とのうまい付き合い方のコツ」 - 経営戦略・事業ビジョン - 専門家プロファイル

長坂 有浩
アリスカンパニー 代表取締役
東京都
経営コンサルタント

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閲覧数順 2016年12月09日更新

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心理学的「上司とのうまい付き合い方のコツ」

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自分でできるメンタルケア こころの状態
「ぐち聞きサービス」で社員のカウンセリングをしていて感じることですが、会社での一番の悩みは「人間関係」だったりします。

理由はシンプルで、「人間関係のこじれが日常の仕事のやり方にそのまま影響してしまうから」。ちょっとしたやりとりで上司の機嫌を損ねてしまった場合、その後の仕事がすごくやりにくくなってしまうことが結構あるからです。

それゆえに上司と話をするときはすごく気を使うし、言いたいことがあってもぐっと我慢してしまう。

でも、それって日常だけにストレスもたまるし、気を使いすぎると相手に伝わってよけいに関係がギクシャクしてしまう、そんな負のスパイラルに陥りがち。

そんなストレスを軽減させて、上司との関係を良好に保ちながら仕事をいい感じに進めていく、そんな方法を心理学的アプローチでご紹介しましょう。

「観察力」と「表現力」を鍛えて職場の人間関係を改善する方法です。

「観察力」を鍛えることで、上司が「こうするであろう」という「思い込み」を検証したり、もしそれが自分にとっての「負の思い込み」であれば自分や相手のストレスを最小限にする「新しい考え」に修正することができます。

「表現力」を鍛えることで、お互いの好感度が高まり、自分の意図を相手にうまく伝えることができます。


*自分と相手を分析して客観視するほど「観察力」が高まる

アメリカの臨床心理学者であるアルバート・エリスは、ABC理論を提唱しました。
自分に対して厳しい上司がいたとしましょう。
上司(社長)から「○○くん、ちょっと会議室まで来てくれ。」と言われた時、どんな感情になりますか?

パターン1「また怒られるのかなぁ。あぁ、行きたくないなあ。」
パターン2「いつも△△さん(上司)は、口うるさいんだ。ムカつく。」
パターン3「わざわざ会議室に呼ばれるってことは、きっと大事な話なんだろうな。」
パターン4「この間の商談が決まったからホメてくれるのかも。ワクワク。」

ABC理論では、「出来事そのものに悩みの原因があるのではなく、その各個人の受け取り方が悩みを作る」と説いています。つまり、ある出来事が起こると即座に生まれる「感情」がその人の「受け止め方」によって異なるというのがABC理論の考え方です。

出来事(A:Activating event) → 受け止め方(B:Belief) → 感情・結果(C:Consequense)

気の合わない上司とは、呼ばれただけでも1や2のようなネガティブな感情を抱きがち。会議室に行く前にすでに「いやな気分」になる。実際にはまだ怒られてもいないのに気分が落ちたり、まだ何も言われていないのにムカついてしまったり。

この感じ方は変えることができます。

「受け止め方(Belief)」を、ちょっと客観的に考えてみましょう。
「先週怒られた」からと言って「今回も怒られる」というのは確かでしょうか。

おすすめなのは、「これまでの事実の書き出し」です。実際に毎回毎回怒られているか?ということを書き出してみると、たまには褒められたこともあるかもしれませんし、ただ上司の気分がたまたま悪い時に怒られていたのかもしれません。また、もしかしたら上司の呼び方や態度にも違いがあるかもしれませんね。それを思い出す限り書き出してみましょう。こうした、「状況を分析する」という作業は、事実を客観視することにつながります。

つまり、「観察力」には2つのアプローチがあります。1つは、「自分を見る自分」を鍛えるということです。自分を客観視するとも言えます。それが出来るようになると、「先週は怒られたけど、今回は何の話だろう?」と少し冷静になれたり、「ああ、あの件で怒られるんだな。あの件にはちゃんとした理由があるのだから、もう一度説明をして理解してもらおう」というように反応をシュミレーションすることもできるようになります。

もう1つは、上司がどんな仕事をしているのか、普段から何を考え、どんなことを成し遂げたいのかを「観察」することです。
上司の考えや正確を把握することは、無駄な「思い込み」を省き、ムダに抱えるストレスも少なくなります。人は見えないものやわからないことに一番恐怖や不安を感じるものですから。


*挨拶と報告で「表現力」は鍛えられる

客観力を鍛えたら、次は表現してみましょう。
ここでは、「単純接触の原理」を使います。「コミュニケーションをとればとるほど好感度が高まる」といった法則です。
よく、「売上一番の営業マン」が使う手法です。

最も簡単な方法は「まめな報告」。多くの上司は日々忙しく動き回り、部下のことをあまりケアできません。だからこそ、こまめな報告は怠らず、いざ自分で処理できない状況になったときにフォローしてもらえるような関係づくりを普段から作っていく。

逆に、問題が深刻になってから「実は・・・」と言うことになれば、解決が遅れるばかりではありません。上司からすれば、「なぜそんな大切なことをもっと早く報告しなかったんだ!」という怒りの感情を抱きます。その怒りの感情が、「こいつは大切なことを先延ばしにする人間だ」という感情に変わると、その後の仕事がすごくやりにくくなりますね。確かに仕事のトラブルや失敗等を上司に報告するのは勇気のいることで、自分に危険なおそれのあることは先延ばしにする「防衛反応」が働いてしまいがち。「日頃からのこまめな報告」がそれを防ぐこともできます。コミュニケーションが好感度を高めてくれるので、何かあったときでも相手の反応はやわらかくなります。というか、単純接触の原理から見ると、そもそも報告しやすい雰囲気になっていることが多いです。

実は、コミュニケーションの内容は、報告でなくても、毎日の挨拶程度でOKです。挨拶のポイント。相手がきちんと認識できるような挨拶(お辞儀・声の大きさ・トーンなど)を心がけてください。目的は上司に自分の存在を認めてもらうことですから。
これだけでも、あなたの望んだ上司とのよい関係が少しずつ構築されます。


*相手と自分は「鏡」のようなもの。だから「自分が変わると相手も変わる」

苦手な人は放っておくとどんどん苦手になっていきます。そして、上司(社長)も不思議とあなたを苦手に思うようになっていきます。「苦手だからできれば話したくないし近寄りたくない」という気持ちが、知らず知らずに上司との距離を遠ざけてしまうのです。そして、人は苦手な相手に対してはどんどん冷たくなるし、イライラが募るようになります。そう考えると、上司があなたを攻撃する理由は、「あなたが上司を苦手としている」からだったりするのです。

仕事の中では特に、苦手な人ほどまめにコミュニケーションをとってみましょう。そして、相手の雰囲気や行動を観察して分析してみましょう。苦手な上司と一緒にいるときは冷静でいることが難しくなっているケースがすごく多いのです。実は「観察力」も「表現力」も、ポイントは「自分を落ち着かせること」にあるのです。

職場の人間関係は、なかなか「逃げ場」がないだけに辛いことも多いですが、まずは「自分のアプローチを変えていく」ことを考えてみてください。思わぬ効果がありますよ。