- 須藤 利究
- 有限会社RIKYU・コンサルティング 代表取締役
- 経営コンサルタント
対象:経営コンサルティング
- 戸村 智憲
- (経営コンサルタント ジャーナリスト 講師)
経営者や財務担当の方、今日も決算書のご用意お願いします。
貸借対照表の資産・負債・資本の三つの箱のうち、「資産」について話の
続きをして見たいと思います。
前回の予告通り、(短期・長期)貸付金や未収金などについて説明したい
と思います。
この科目には社長さんには耳の痛いケースも出てきますので、ちょっと
覚悟してくださいね。
貸付金というには、会社が誰かにお金を貸したものを指します。
中堅以上の会社であれば、関連や子会社にお金を貸すこともあるでしょう。
ただ、社長個人への貸付金があること自体余り勧められません。それが
短期であれば1年以内に返済されないケースとか、長期でも約束通り返済
がされていないと「不良債権」と見做されることがあります。
特に社長さんへの貸付金できちんと返済されないと「私的流用」とも取られ
かねないので、返済予定表をきちんと作り、役員報酬から返済しましょう。
銀行担当者に「社長、このお金は何に使ったんですか?」
「株式投資とか今はやりのFXなんかじゃないですよね」
「もしそうだとそれば、当面、運転資金は難しいですよ。」
結局社長は、きちんと説明をしなければなりません。通常海外出張などに
仮払金などを出すことはありますが、普通は貸付金は発生しないですよね。
え〜(耳)使途不明金を全部社長貸付にしたのが、たまっただけで使った
覚えはないけどな〜 こんな話を時々聞きます。仮払金の精算に領収書が
足りない場合などが貸付金で処理されることは、多少はあるでしょうけど
もう、そのようなどんぶり勘定は通用しないことを肝に命じてほしいのです。
そして貸付金は利息をつけるようにされています。通常借入金の中の最低
金利以上の金利をつけるように税務署などに指導されます。その利息分を
払わないと未収金に溜まってしまいます。
このように返済がない貸付金とその利息である未収金は、回収不能資産と
認定され、資産勘定から減算され、またその分自己資本が削られることに
なるのです。
このような作業を銀行では『実態修正』と呼び、企業の真の体力を測定
しようとします。回収不能な資産の水脹れ部分を検証することで、企業の
正確な体力測定しようとしているのです。
次回は、流動資産を少しと固定資産についても銀行の修正方法や見方を
説明してみたいと思います。決算書の内容を良くするために、経理の
苦手な社長さんも是非お付き合い下さい。
では、またお会いしましょう!!