米国特許判例紹介:記載不備と特許の権利範囲解釈-10- - 企業法務全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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村田 英幸
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米国特許判例紹介:記載不備と特許の権利範囲解釈-10-

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米国特許判例紹介:記載不備と特許の権利範囲解釈
      〜400万ドルのメガネ特許権侵害〜(第10回) 
   河野特許事務所 2009年10月16日 執筆者:弁理士  河野 英仁

            Revolution Eyewear, Inc.,
          Plaintiff/Counterclaim Defendant-Appellant,
                v.
          Aspex Eyewear, Inc. and Thiery Ifergan, et al.,
          Defendants/Counterclaimants-Appellees


 Intel事件におけるクレームはメモリーチップに関する。クレームには
(1)代替アドレスモードを選択するためのプログラマブル選択手段、及び、
(2)それにより、前記代替アドレスモードが選択された場合に、いくつかの信号が処理される。
と記載されていた。イ号製品はページモードと称するモードにおいて、上記クレームの文言を満たす機能を発揮する。それにもかかわらず、被告は特許権の侵害が成立しないと主張した。

 被告は、侵害となるページモードにおいて操作できるような形態でユーザに販売したことがなく、また、当該チップをページモードへどのようにして変換するかをユーザに通知したこともないと述べた。被告は以上の理由から、たとえページモードへの変換が可能であったとしても、特許権侵害は成立しないと主張した。

 CAFCは、クレームが特定の機能を発揮することを規定している場合、ユーザがそのような機能を実際に発揮させるか否かにかかわらず、イ号製品が当該機能を発揮し得る限り特許権の侵害に該当すると判断した。

 CAFCは、本事件については、物理的な変更を要するHigh Tech事件よりも、機能的なクレーム記載であるIntel事件に近似すると判断した。クレーム22は単に「補助メガネフレーム(20)の第2磁性部材(22)を引きつけることができる」と機能的にしか記載していない。イ号主フレームも同様に磁性部材により補助フレームを引きつけるという機能を発揮する。その一方で、High Tech事件の如く、イ号主フレームは物理的な変更は必要としない。

 CAFCは、イ号主フレームは物理的な変更を加えることなく、また、ユーザの実際の使用形態にかかわらず、クレームに記載されたとおりの機能を発揮し得ることから、Intel事件と同じく特許権侵害に該当すると判断した。

5.結論
CAFCは、クレーム22が記載要件を満たし、かつ、イ号主フレームがクレーム22を文言上侵害すると判断した地裁の判決を支持した。

                                (第11回へ続く)

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