- 高安 重一
- 有限会社アーキテクチャー・ラボ 代表取締役
- 東京都
- 建築家
対象:住宅設計・構造
「輻射冷暖房」と言いますが、冷水/温水をパネルに流してその輻射熱で物体を冷やしたり暖めたりする方式です。
写真は「東新小岩TN」という住宅のインテリアです。床から天井にかけて細い線が並んでいるのが見えると思います。これが冷水/温水を通すパネルなのです。
このパネルはインテリアとしても見ていておかしくない…。特に下の写真のように、空間を分割するようなパーテーション代わりにも使えるとなると、エアコンより確実にポイント高いアイテムと言えます。
ちなみに輻射熱とはちょっと難しそうですが、わかりやすいのは「たき火」です。外の空気は冷たいのに、たき火のそばでは肌が熱いくらいになっています。たき火から人間の体へ、直接熱が移動して暖まったと言うわけです。
このたき火の役割がこのパネルと言うわけなので、人がいる所に面してパネルを設置しなくては行けません。エアコンは部屋の端の方で動いていれば、空気の温度を上げて、その空気自体を暖かいと感じると言う方式ですから、その違いが分かって頂けるかと思います。
ただし、現在この製品は扱っている所が少なく、高級車1台分くらいの費用がかかります。このクライアントは、車よりも長い時間使うだろうと言う価値を感じて導入された経緯があります。