- 晝間 康明
- ひるま矯正歯科 院長
- 歯科医師
対象:一般歯科・歯の治療
矯正歯科の歴史:第4回目は,「エッジワイズ法の導入」です.
日本ではベッグ法導入の後を追うようにして、当時アメリカで普及していた細いワイヤーに改良されたエッジワイズ法が導入され始めました。これは、従来までの大学矯正歯科医局からトップダウンの広がりではなく、ワシントンD.C.の矯正専門開業医ヒト・スエヒロがエッジワイズ法の講習会を全国各地で開いたことによる広がりでした。
当時のエッジワイズ法によるワイヤーサイズは、現在でも主流の0.018×0.025インチ(直径が約0.025ミリ×0.06ミリ)でした。
日本の矯正歯科治療がベッグ法からエッジワイズ法への変化し始めたころ、アメリカでは基本的なエッジワイズ法(スタンダードエッジワイズ法)からRickettsのバイオプログレッシブ法,Andrewsのストレートアーチワイヤー法などが次々と新しい治療法を発表されました。そして、それらのテクニックを伝承すべく日本にも様々な研究会やスタディグループが起ち上がっていったのです。
時を同じくして、歯科界では歯にさまざまな詰め物や被せものを接着する接着剤の開発が進み、接着剤の性能が向上していました。
当時の矯正装置はすべての歯に金属製のバンドを巻きつける様に装着するフルバンドシステムでした。しかし接着剤の性能向上により、1973年三浦らがブラケットを歯に直接接着する方法(ダイレクトボンディングシステム)を考案しました。
・・・・続く