広告主が先か、利用者が先か - ITコンサルティング全般 - 専門家プロファイル

谷口 浩一
株式会社チームデルタ 代表取締役
千葉県
Webプロデューサー

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閲覧数順 2024年04月18日更新

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広告主が先か、利用者が先か

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シフト:ネットがもたらしたもの/奪ったもの

そしてビジネスモデルの終焉か・・・


WEB2.0(ってちょっと死語に聞こえてしまうのは僕だけ?)が、怖ろしく曖昧な捉え方をされ、ネットの商用利用開始直後からある仕組みや考え方を平気でWEB2.0とする文章を目にしながら、でも、広告収入を主体としたビジネスモデルの次がいまだ見えないんだから、それも致し方ないことか・・・なんてね。


こんにちは。
チームデルタの谷口です。


言うまでもなく、Yahoo/Googleをはじめ、多くの検索サービスは、その収益のほとんどを広告に頼っています。
だから、広告主なくしてはビジネスそのものが成り立ちません。
でも、、、、広告っていう古くからある仕組みは、それを見る人、特にそれを好意的に受け入れる人がいなくては成り立たないですよね。
でも、じゃなく、そんなの当たり前だろうって、つっこみたいあなた!
ネットでは、既に、そうでもない状況が起きてるんです。
そして、あなた自身も、広告主や広告収入でメシ食ってる企業に欺かれてるかもしれないんですから(笑)。


広告主から多くの出稿を得るためにクリアすべき最大のミッションは、より多くの利用者を集めることですよね。
テレビの視聴率とまったく同じ考え方。
そして、より多くの利用者を集めるには、彼らのリクエストを満たすこと、すなわち、満足度の向上が必要です。


モニターの解像度にもよりますが、最近、ページをスクロールしなければ「検索結果(自然検索=オーガニック検索)」が見られないことが増えました。
少し古いモニターでは一層顕著です。
「infoseek」「goo」「BIGLOBE」などは特にそうです。

なぜ、こんなことになるかと言うと、たくさんの「スポンサーサイト」をまず表示して
場合によっては、さらに「JWORD」の掲載があって、ようやく、自然検索の結果が表示されるためです。
これ、案外、ムカつきません?
広告収入なくしては成り立たないわけですから、無料でサービスを利用している僕らとしては、まぁ、しょうがないか、とここまでは我慢することにしましょう。

でも、もっとムカつくことがあるんです。
Yahooを含め、これら検索サービスでは、少し前から ”スポンサーサイト”エリアに色付けしなくなったため、自然検索エリアとの区別が曖昧になり、ぱっと見、わからなくなりました。
何でこんなことをするのか、って思われる方のために説明すると、こういうことなんです。

そもそも、(検索連動型広告の場合)クリックなしでは報酬が得られません。
でも、そんな検索サービスの生命線を知ってか知らずか、利用者の多くは、「広告」よりも「自然検索」の結果を見る傾向があり、クリック率は後者が前者の数倍あるとのデータもあります。
簡単に言えば、利用者は、広告よりも自然検索による結果を信じようとする、ということなんです。
これは、利用者の心理を考えれば、実にあたりまえ。
金出して「作為的」に得られたポジションよりも、「中立」の立場で選別された情報の方が信頼できる、って考える(感じている)わけです。
だから、「スポンサーサイト」エリアも、自然検索っぽく見せれば、クリックしてもらえるんじゃないかと、Yahooさんたちは考えたわけです。


そういう利用者の心理を知った上で(知っているからこそ)、こういうやり方ってどうよ?
って思うのは、きっと僕だけじゃないはず。
もちろん、営利を第一義とする企業ですから、さまざまな工夫をすことをは大切なことです。
ですが、その工夫が、利益の源泉の足もとをすくいかねない危険と背中合わせでもあると思うんです。
だって、こういう、いやらしさをともなう営利性って、ネット利用者が最もドン引きす原因につながるんですから。


ことネットに関して言えば、広告でまかなうビジネスモデルの限界が近づこうとしているのかもしれません。
極めてパーソナルな心理状態にあるネット利用者は、『みえみえの営利性』 『いやらしいさ』に過剰に反応します。
広告収入を優先したがために、広告の仕組みを支えるはずの利用者の気持ちを欺いたり、利用者の利益をむしばんでしまうというジレンマに陥ろうとしていませんかね。


広告主をとるか、利用者をとるか。
あるいは新しい道を見出すのか。
検索サービスは、近い将来、今とは大きく違う姿になっているかもしれませんね。


成功するWeb戦略とホームページ制作のチームデルタ
谷口浩一

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