鐘楼の基壇の新しい石を積んでいきます。
昔は松平藩が管理していた「来待石」を贅沢に使います。
石と石が接する隙間は通常目地仕上げとしますが、
ここはお願いして「ねむり目地」の「目地なし突きつけ」とします。
基壇そのものが経年変化で水平ではなく不規則に傾いていますので、
新しい石を削りながら上部を水平に施工します。
つまりは、石を置いて水平を測ってマーキングして削り、再び置いての繰り返しとなります。
三人の職人さんは「こんなことはやった事は無いです」と言いながら、
気の遠くなる作業を黙々とこなしてくれています。
建築の納まりを、目地やコーキングで逃げることも必要な事ですが、
逃げが無い納まりは、素材そのものの強さや美しさが際立ちます。
難しい仕事をこなす職人さんに感謝しかないです。
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このコラムの執筆専門家
- 中村勝己
- (広島県 / 建築家)
- 中村勝己建築設計事務所
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