歯科検診の比較的新しい基準“CO”(要観察歯) - 虫歯治療 - 専門家プロファイル

増岡 健司
医療法人社団 MEDIQOL 理事長 歯科医師
東京都
歯科医師

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対象:一般歯科・歯の治療

赤岩 経大
(歯科医師)
赤岩 経大
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閲覧数順 2024年04月19日更新

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歯科検診の比較的新しい基準“CO”(要観察歯)

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  1. 心と体・医療健康
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歯科の蘊蓄
 本当の初期虫歯は治療せず
 

 虫歯(Caries)は、歯の表面のエナメル質が酸によって溶かされるC1 から始まります。症状が進行するにつれてC2,C3,C4 という記号で表されます。学校の歯科検診などで、歯科医師の先生が「左上奥からC1,ずーととんで…」と言われているのを思い出してください。

 それは、次のように説明できます。
 
 C1: 表面のエナメル質が溶けはじめた、最初の段階の虫歯。ほとんど痛みは感じず、冷たいものがしみることがあります。
 
 C2: 虫歯はエナメル質の中にある象牙質に達しています。象牙質はエナメル質ほど硬くないので、進行は早く、侵された穴が歯髄(神経がある箇所)に近づくにつれて冷気や冷水がしみます。
 
 C3: 虫歯が歯髄まで達し、大きな穴があいている状態です。歯髄炎をおこしているため激しく痛み、さらに炎症が進行すると歯髄が死んでしまいます。
 
 C4: エナメル質で覆われている部分はほとんどなくなり、根だけが残っている状態です。歯髄が死んでいると痛みは感じませんが、根が化膿したり、腫れたりします。
 
 これらの場合には、菌に侵された箇所を再度の虫歯予防のため、やや大きめに削ったり、詰め物で補って治療します。
 
 現在、C1 の前のエナメル質の表面がわずかに白濁している状態に対して、“CO”という表現が用いられるようになりました。

 
 “O”はゼロでなく、オブザーべ一ション(Observation)・観察ということで、削らないで観察するということです。
 
 近年の研究結果から“CO”の状態であれば、正しい歯磨き方法・食習慣、唾液の効用などでエナメル質が元に戻れる(再石灰化)ことが解明されてきました。ただ、この“CO”は自覚症状がなく、自分で見分けることが難しいものですから、歯科医師の先生によってチェックしてもらう必要があります。やはり、定期的に歯科検診を受けることは重要になります。