菊と刀とITと - ITコンサルティング全般 - 専門家プロファイル

井上 みやび子
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閲覧数順 2016年12月07日更新

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菊と刀とITと

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徒然 IT 考
ルース・ベネディクトの「菊と刀」を読んだ。

「菊と刀」は、第二次世界大戦中のアメリカで敵国としての日本の国民性研究の任にあった著者が、戦後 1946 年にその成果を一般向けの日本文化論にまとめて出版したものだ。先ごろ光文社古典新訳文庫から日本訳が再出版された。

すでに古典的名著という位置づけだが、いま読み返してみると日本とアメリカの差や現在の日本の問題の原因など、いろいろ気づかされる点が多い。

たとえば、「アメリカでは仕事の出来が最高になるのは競争に刺激された時である。ところが日本では競争相手がいる状況でテストを受けると、成績が落ちるのである。(引用中略あり)」などは、調査方法や文献が明示されていなが、さもありなん、アメリカで成功した成果主義の人事評価システムは日本では期待する効果を上げないといった事実を予見していたようだ。

その他にも気づいた点がある。

著者が多くのページを割いた「恩」というものに関して。日本では、「恩に着せる」「恩返し」など、「恩」は受けたら返さなければならないという考えが強い。お歳暮は返礼するし、出していない人から年賀状が来たら返事を書かなくては「いけない」という気分になる。見ず知らずの人から受けた恩は「借り」になり、心のつかえになる。

日本ではボランティアがいま一つ根付かないが、これは、やりたい人がいないのではない。受け取る人がいないのだ。受け取ってしまったらそれは借りになる。借りは作りたくないし、むやみやたらと人に借りさせる親切は押し付けがましいことと思われる。

オープンソースについても、日本での発展には同様の難しさがあるのではないだろうか。オープンソースの無償開発に携わる人が直接の仲間以外から素直に感謝されるとか賞賛されるまたは尊敬されるということはあまり考えにくい。賞賛してしまったら「借り」になるから。作る側からすると頑張っても「ありがとう」「あなたのやっている事は意味あることだ」というフィードバックが少ないと、やはりモチベーションは低下するのではないか。

そうすると、開発をする人は海外を活動の範囲に据える、日本文化にフィットしたシステムがますますできにくくなる...と考えるのは悲観的すぎるだろうか。