知っておきたい特許の話(4) - 企業法務全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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知っておきたい特許の話(4)

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知っておきたい特許の話
弁理士 河野登夫
河野特許事務所
2009年1月15日

3.特許制度のあらまし

 出願用の書類を整えて特許庁に出願すると、事案を特定する出願番号が付与される。手続きに形式的な不備がある場合は補正命令が発せられるので命令に対応する手直しをする(補正書提出)。出願書類は出願日から1年6ヶ月を経過すると「公開公報」に掲載され、誰もが発明の内容を知ることができる状態になる。

 アメリカ合衆国のように出願すれば審査される制度とは異なり、日本など多くの国では、審査の請求を別手続きとしている。出願料に比べて高額な審査請求料の出費を遅らせるとか、開発して出願したものの事業化の見込みが立たない発明には審査請求せず経費節減を図る、などのメリットがある。

 審査請求は出願日から3年以内に行う必要がある。
 公開公報を見た第3者も審査請求することができる。この制度は他人の発明が自らの事業展開、開発計画にどのように影響するかを早期に知りたい場合に利用される。
  公開公報で他人の発明を見て、その成立を妨げたい場合がある。これには「情報提供」という制度があり、特許出願日以前に発行された文献を提出し、特許すべきではない理由を申し述べる。以前存在した異議申立制度は廃止された。

 技術分野によって異なるが、審査の結果は審査請求後平均2年程度待たないと得られない(1年まで短縮する努力がなされてはいるが・・・)。これでは遅い、という出願人のために急いで審査する、という早期審査請求の制度がある。3ヶ月程度で結果が知らされる。
 審査の結果は「特許査定」か、または「拒絶理由通知」である。「拒絶理由通知」は特許することができない、という理由を示したものであるが、およそ95%はその案件の出願日以前の文献を引いて、発明がその文献と同一または類似するというものである。

 こうした特許庁審査官の認定に対して、反論し(意見書)また、権利化しようとする発明の権利範囲を小さくするなどの手直しをして(補正書)、再度審査官に判断を委ねる。これによって特許査定が得られればめでたし、めでたしだが、反論・補正が認められなければ拒絶査定となる。

 拒絶査定となった場合、特許庁内の上級審である拒絶査定不服の審判に持ち込むことができる。第2図には記載していないが、さらにその上級審として知的財産高等裁判所→最高裁が用意されている。

 特許査定がなされたあとは特許料(3年分一括)を納付する。これにより特許権が登録され、権利が発生する。図示はしないが特許公報の発行、特許証の交付が行われる。4年目以降は1年ずつの特許料の納付が可能である。納付が期限内に行われないと特許が失効するので注意して管理することが必要である。

 発生した権利に対して無効審判が請求されることがある。一般には特許侵害訴訟が起こされたときの対抗策として請求される。
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