海月姫2 結婚や自立や自分の居場所と母性との関係 - 恋愛全般 - 専門家プロファイル

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海月姫2 結婚や自立や自分の居場所と母性との関係

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恋愛心理 自己受容

都市再開発問題で立ち退き地区にある男子禁制アパート「天水館」には6人の女性が住んでいます。
この6人が、6人とも対人恐怖症ぎみの引きこもり女子なんですね。


主な登場人物紹介
●クラゲの事しか考えられないクラゲオタクで眼鏡女子「月海(つきみ 主人公 演:芳根京子さん)」
●和服オタクでアパートの大家の娘「千絵子」
●鉄道オタクでアフロヘア「ばんばさん」
●三国志オタクでいつもジャージ姿「まやや」
●枯れ専(恋愛対象がシルバー世代)でパソコンには詳しい「ジジ様」
●一度も部屋から顔も出さない謎の住人「目白先生」


●この「天水館」の住人(通称尼~ず)に、ひょんな事から関わり、天水館を立ち退きから救うために奔走しているうちに、月海を好きになってしまう女装趣味の「蔵之介 (演:瀬戸康史さん)」
●蔵之介の弟で、同じく眼鏡をしていない月海に一目ぼれしてしまう「修(演:工藤阿須加さん)」)

その他デベロッパーの悪役や、陰日なたになって味方してくれる政治家の謎の秘書(演;要潤さん)
などが入り乱れるコメディーです。

尼~ずの6人にとって、「天水館」はかけがいの無いない居場所であり、

そこを追い出されたら居場所が無くなるのです。
色々無茶な展開もあるのですが、この設定が一番このストーリーの要の部分です。
お金もらって別のところに引越しゃ良いじゃんでは済まないのです。

「天水館」はアパートと言っても、今で言うシェアハウスのようになっており、

個室はそれぞれあるものの、食事はみんなで食卓を囲んでします。
ほとんどの時間をみんなで和気あいあいと過ごしている楽園のようなアパートなのです。


全員が引きこもりぎみなので、みんなが気が合うというか、

平和と言うか、外敵がいないガラパゴス島のような場所なのです。
こんな楽園は、他で作れと言われても、今更再現できないのですね。


どうやって不動産屋さんが、このような人たちばかりを募集して入居出来たのか、不思議なくらいです。
個性的な面々、僕は特にまややさんのしゃべり方が耳から離れません。
別に事件とか起らなくて良いから、ずっとサザエさんみたいにみんなの暮らしを見ていたい感じです。

月海と蔵之介はアパートを買い取って立ち退かなくて済むように、月海がデザインしたクラゲモチーフのドレスを販売し資金を作る計画を立て、みんなで協力してドレスを作り、それは成功しそうに見えました。

しかし、再開発事業が予定よりも早まり、すぐに3億円もの大金が必要となり、月海一人だけ外資系アパレル企業とアパートを守ることを条件に契約し、本社のあるシンガポールに行くことにします。

本当はみんなと一緒にいたいのですが、自分を犠牲にしたのです。

最初はそれで天水館も救われ、月海も才能を発揮できると考えた尼~ずのメンバーですが、やはり月海を取り返すことにします。

ここら辺の話からが、前回も触れた第9話です。(全10話)

尼~ず自立への道
月海が帰ってきたとしても、このまま自分たちが引きこもりのままでは、結局天水館が無くなった時に月海を心配させてしまうだけだと考えた尼~ずのみんなは、そこで初めてそれぞれが外の世界で自立して働く挑戦を始めます。
最初はくじけそうにもなるのですが、みんなが苦労しているし、仲間が一体となって挑戦しているのでがんばります。

外の世界の人たちとは話すことどころか、目を合わす事さえ困難だったメンバーががんばる姿は、コメディーなのですがウルッと来ます。

そして月海がシンガポールに旅立つのを阻止するために、空港でギリギリ引きとめようと気持ちが一つになった時、
メンバーそれぞれの能力が結集されるされることになるのです。


姿を消した月海を探すために、都内数箇所にあるパスポートセンターを分担して張り込みをすることにします。
ジジ様、千絵子さんは割りと普段から要所要所で活躍してくれます。
あれほど弱音ばかり吐いて、人を拒絶していたまややさんは、

必死でパスポートセンターで月海を見かけた人がいないか見知らぬ人々に不審がられても聞き込みをし、


鉄道の事しか知らないばんばさんが、もうすぐ成田から飛び立つ飛行機に間に合うように、瞬時に時刻表と経路を頭の中で割り出し、みんなにナビゲーションをしたり、、。
みんなカッコイイ!

 

何と言うか、これは海賊船ではなく町の片隅のアパートで繰り広げられる「ワンピース」ですね。

仲間がいて、自分の居場所があり役割がある。
なんて居心地が良い空間なのでしょう。

しかし、大抵は大人になるにつれ結婚したりして、仲間たちはそれぞれ離れ離れになっていくものです。
友人達が結婚して行き、自分も結婚とかしなきゃと焦る気持ちって、世間体的なこともあるのかも知れませんが、
仲間達が離れていく喪失感や、自分だけ仲間から取り残されて一人きりになりたくない「分離の不安」なのかも知れないなぁと思います。


心理学的に分離不安と言うと、主には親から自立していかなければならないけれど、

親と離れるのが不安、と言う様な気持ちの事を指します。

自立とは経済的な独り立ちという意味合いより、一人暮らしや結婚などによって、親の家から独立し、
自分の裁量で生きて行くと言う精神的な意味合いが強いです。
雇用形態の変化から、経済的な自立も、昔と比べて益々難しくなっているように思います。

家が安全で居心地が良すぎても自立する動機付けが弱まり、外の世界には出にくくなりなるものです。
逆に、親との折り合いが悪くて居場所が無くても、「家庭でさえこんなに生きるのが過酷なのだから、外の世界は恐ろしくて出られない」
ことになってしまいます。


尼~ずのメンバーの家庭環境派は?と言うと
月海はお母さんはすでに病死している様子で、否応無く一人暮らしするしかなかったようですが、

お母さんとの思い出であるクラゲだけが彼女の世界を支ええています。

お父さんの存在は何も描かれていないようです。

大家の娘である千絵子さんは、アパートが自分の家になるわけですが、お母さんは海外で優雅に暮らしているようで、一応ある程度は自立している様子です。

ばんばさんとまゆゆとジジ様は、親との関係が今どうなっているのかわかりませんが、

親と離れて一人暮らししているけれど、
引きこもりで外の世界には出られない程度の自立はしている様子です。(買い物や外食することは出来ます)
原作のコミックでは、彼女達の親子関係などが垣間見えたりするのでしょうか?


母性と父性
クラゲは「海月」と言う漢字をこの作品では使っていますが、「水母」と言う漢字も使います。
どうも母親との関係性みたいなものが、このドラマの見えない背景にはあるような気がします。
母性を象徴するのがフワフワと優雅なクラゲのように思えます。

母性は家族や仲間を繋ぎ止め、抱きかかえる役割をするものです。

父性は逆にそれぞれを独立・自立に導き、関係を断つ役割をするものです。

自立する為には、実はお父さんの力が必要となるのです。
なかなか人が結婚して自立できない原因の背景には、

実はお母さんの母性の影響が強すぎるか

お父さんの影が薄すぎる家庭環境であることが影響している事が多々あるのです。



女装男子の蔵之介のお父さんは、再開発賛成派の大物政治家(北大路欣也さん))で、いわば尼~ずにとっては外敵です。

お母さんはお父さんの愛人です。
政治家の長男として政界入りを期待されている蔵之介は、

愛人だった母親と引き離され、父親と本妻である継母と腹違いの弟と暮らしています。
ドレスがとても似合っていた舞台女優であった本当の母親を今も求め、

生きる目標を探しているうちにファッション業界に自分の居場所を見つけます。
着飾った女装をしているのも、性癖なわけではなく、

おしゃれなお母さんへの思慕の気持ちがあるからだったのですね。

政治家のお父さんに反抗し、ファッションで身を立てることで自立しようとしている事になります。
 


クラゲの生態
ところで、クラゲの生態と言うのは、どうも一般的な生き物とは違うようです。
脳も心臓も無いのだそうです。
大雑把には「傘」があって触手というか足が何本かユラユラ生えていて、全体で一匹の生物だと思っていました。
ところがクラゲにも色んな種類があるそうなのですが、

クラゲによっては小さいイソギンチャクみたいな生き物(ポリプ)が、たくさん集まって
一匹に見えるクラゲを構成して生活している種類があるのだそうです。
こうした生き物を「群体」と呼ぶそうです。


まるで「天水館」そのもの。
「天水館」こそ生命を持つ水母なのではないでしょうか?

居場所が無い人が自分の居場所を作っていくのは至難のわざとなります。

尼~ずのメンバーとって「天水館」こそ家族なのでしょう。

このまま「天水館」での平和な暮らしが続いて欲しい気持ちと、

みんなの自立と言う成長のためには、過酷でも追い出される方が良いのではないか?と思う気持ちが葛藤します。

「天水館」にとっては、再開発計画こそが自立を促す父性の役割になっていると言えるでしょう。


続く


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