違法な特許出願の回復が無効理由となるか(第6回) - 企業法務全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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違法な特許出願の回復が無効理由となるか(第6回)

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違法な特許出願の回復が無効理由となるか(第6回)
〜特許無効の抗弁事由〜  
河野特許事務所
米国特許判例紹介(第18回)
Aristocrat Tec. et al.,
Plaintiffs-Appellants,
v.
International Game Tech. et al.,
Defendants-Appellees.
                       
                       2009年1月3日 弁理士 河野 英仁
                
 
4.CAFCの判断
争点2:違法回復は282条(4)に規定する抗弁事由とはならない。
 CAFCは、議会が立法時に違法な回復が抗弁事由となることを意図しておらず、また、手続き上の瑕疵に過ぎないとして抗弁事由とはならないと判示した。

 282条(4)は「本法によって抗弁とされる」と規定しており、議会は抗弁とされる事項を明確に立法化している。例えば特許法273条(先発明に基づく抗弁)等である。違法(133条及び371条)回復に基づく特許が無効であるとの抗弁事由は、特許法の規定から議会によって全く意図されていないことは明らかである。さらに、CAFCは、手続き上の瑕疵に過ぎず、このような抗弁を認めた場合、特許の不安定化を招くほか裁判所の機能を損なうことになると述べた。

 以上の理由により違法に回復されたことは特許法第282条(4)に規定する抗弁事由とはならないと結論づけた。


5.結論
 CAFCは、215特許が無効であると判断した地裁の判断を取り消し、本事件における判示事項に従い、再度審理を行うよう命じた。