- 中野 博
- 株式会社エコライフ研究所 代表取締役
- 埼玉県
- 経営コンサルタント
対象:経営コンサルティング
- 戸村 智憲
- (経営コンサルタント ジャーナリスト 講師)
ウェルネスビジネスと言うのは、積極的に健康になろうとする極めて前向きなビジネスである。
健康には、身体的、精神的、社会的要素が含まれる事はWHO(世界保健機構)の定義を読めば
明らかである。
が、多くの人々の関心事は身体的なものではないだろうか。
特に、購買市場の3割以上が60歳以上になりつつある現在、男女問わず、加齢に伴う身体の衰えをどう防ぐか、には関心が集まっている。
こうした概念を反映したものが、「アンチ・エイジングビジネス(加齢に伴う身体的な老化を防ぎ、あるいは遅くさせ、美容にもこだわる人をサポートするビジネス)」である。
先進国を中心に2005年にはどこも高齢化社会となり、かつ少子化となるため、労働力が衰え、
経済が後退することが目に見えている。
一方では高度情報化社会が実現し、美容技術や精神療法も進んできている現在において、高齢者たちの欲望は、「若返り」「自分らしさ」「楽しさ」に向かってきている。
2008年11月24日付け、時事通信によると女性が体の衰えを感じ始める年齢は32歳で2人に1人は体調が悪い、としている。明治製菓ヘルス・バイオ研究所が首都圏の20歳以上の女性約3600人に行ったアンケート調査で、身も心も疲れている現代女性の実態が浮き彫りになった。
心や体に衰えを感じるかという質問に対し「よく感じる」が20.8%、「時々感じる」が69.2%で、計90%が「衰え自覚者」。20代で早くも82.7%が衰えを自覚している。
「衰え」を自覚し始めた年齢を聞いたところ、20代では27.0歳、30代は31.1歳、40代は37.0歳で、平均すると32.3歳。
日々の体調については「よくない」(4.7%)と「あまりよくない」(41.6%)を合わせ、全体の約半数が体調悪化を訴えた。「まあよい」が34.7%、「とてもよい」は3.7%にとどまった。
こうしたデータは最近いろいろなところで発表されているが、いずれも「衰え」「疲れ」を感じている層は低年齢化してきているのだ。これは、次なる産業が起きる前触れと言えば大げさかもしれないが、アンチ・エイジングビジネスにとっては、よい市場環境ではないだろうか。
そうした意味で、ウェルネスビジネスは多くの人々の悩み事を積極的にサポートするものなのである。
もちろん、このようなビジネスは以前から存在していたが、一部の富裕層やこだわり層が人知れずこうしたサポートを受けていたのである。