旧山陽道沿いの草津の街は古くから残る家とそれら古家が壊されて更地になった空地が点在します。
その旧山陽道につながる袖うだつのある古い家には歴史の散歩道と書かれた説明文がありました。
敷地が「のこ」のように出たり入ったり凸凹しているのは、
戦いの時に身をかくすために都合が良いように建てた中世の城下町のよう、
とあります。
狭い路地が見通せないように更に入り組んで家々が配置されています。
旧山陽道は、参勤交代などでお殿様が通る間、
平身低頭して通り過ぎるのを待つ、その時間が長くなくて済むからという説も
あるそうで、それにつながる路地ですから入り組んでいるわけです。
建築を立てない、また建てることが出来ないため、歯抜けになった空地が残ります。
区画整理されず不便な地域と思われがちでしょうが、
狭い道路を通り抜け、通行する車は無く、
他人の家の軒先に腰掛て話しこんでいるおばあさん達がいたりして、
うだつを眺める僕に「それはうだつというんよ。」と教えてくれました。
家々の間に時折ぽっかり出現する空地は、街や街路の快適性に貢献していると思いました。
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このコラムの執筆専門家
- 中村勝己
- (広島県 / 建築家)
- 中村勝己建築設計事務所
目指すは大らかでゆったりと過ごせる気持ちのいい空間の家
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