米国判例:ビジネス方法は特許されるか?(第6回) - 企業法務全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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米国判例:ビジネス方法は特許されるか?(第6回)

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米国判例:ビジネス方法は特許されるか?(第6回)
〜ビジネスモデル特許の判断基準 大法廷判決〜  河野特許事務所 
2008年12月5日 弁理士 河野 英仁
                In re Bernard L. Bilski
                     and
                  Rand A. Warsaw

 
5.結論
 CAFCは、特許法第101条の判断に際しては「機械または変換」テストを用いるべきであり、当該テストにより特許性を否定した審判部の判断を支持した。


6.コメント
 本事件が最高裁に上告されるか否かは不明であるが、現段階では特許法第101条の判断にあたっては「機械または変換」テストが採用されることが明らかとなった。

 ただし、CAFCは近年の急速なコンピュータ及びインターネットの普及に伴い、この「機械または変換テスト」がいつまでも適切であるとは考えていないようである。最高裁が将来的に、このテストを変更する可能性があり、またCAFCにおいても適宜修正を行う可能性があることを示唆している。

 また、判決文においては、過去SSB事件において判示された「有用、具体的かつ有形の結果」テスト、「Freeman-Walter-Abele」テスト、及び、「Technological Art」テストは全て適切でないと判示した。今後、米国特許法第101条の拒絶理由を受けた場合は、これらのテストではなく「機械または変換」テストを用いて反論すべきである。

 また本判決はビジネス方法について特許を一切認めないというものではなく、「機械または変換」テストさえ満たせば、SSB事件の如く、ビジネス方法であっても当然に特許を得ることができる旨判示している。つまりビジネス方法が特許されるか否かは弁護士・弁理士のクレームの書き方次第なのである。

  

(おわり)