二重のラインを修正する！！

Key Words : 美容整形失敗、全切開失敗、全切開修正、二重傷修正

まず、このお話にご協力いただいたモニターの方に、この場をお借りして、深謝いたします。

今回ご紹介するのは、『全切開後の二重のライン修正』です。

他院手術の修正で『目頭側をもっと狭くして欲しい』というご相談を受けることは、非常に多いと思います。しかし、目頭側はしっかりとした支持組織がないので、自由自在に形状を作ることが出来ません。

ご紹介する方も、目頭側の形状を狭くして、自然な感じにしたいというのが、ご本人のご要望でした。このようなご相談を受けると、担当医としては弱気になってしまいます。そこで、『できる限り頑張りますが、ご要望に応えられない可能性も十分にありますが、それでもよろしいでしょうか？』という質問をすることになってしまいます。

では、実際にどのように仕上がったのかをお見せしたいと思います。

術前

術後3か月

いかがでしょうか？大きな変化にはなりませんでしたが、目頭側の二重の幅を狭くすることが出来たと思います。

ここで、目頭側の細かい構造をお書きしても一般の方には、難しい話になってしまいますので、簡略化してご説明したいと思います。

まず、二重というのは、目を持ち上げる腱膜や筋肉、あるいは瞼板と表面の皮膚をつなぐことによって作成します。そうすることによって、目を開くときに皮膚が引き込まれ、二重が出来ます。目頭側というのは、瞼板が途中までしかないこと、腱膜や筋肉の引き込む力が弱いことから、デザインのようにきちんとラインが出来ずに、本来のご本人の『目の癖』の方向に引き込まれたしまうことがほとんどです。ですから、目頭側のデザインを自由自在というわけにはいかなくなってしまいます。この原則を知らない医師に手術をされてしまった患者さんにお会いすると非常に残念な気持ちになってしまいます。

皮膚切除は、二重のラインが上手くまとまって、狭くなったという前提のもとにデザインをします。

術後は、修正手術ですので、結構腫れるのが一般的です。この方の腫れは少ない方でしたが、術後5日目抜糸時の状態をお見せしたいと思います。

しかし、術後5日目の腫れが少ないからと言って、術後経過が非常に早いというわけではないということもご紹介したいと思います。術後1か月の状態をお見せします。

まだ腫れも残っているのがお分かりいただけると思います。言葉を変えると、この時期は、術前よりも悪化しているとも言えると思います。

このような修正手術は、『二重の皮膚をちょっとだけ切って簡単に治せる』とお考えになっている方にお会いすることも稀ではありません。しかし、目頭側の二重の形を修正することは、このように非常に難しいということを認識していただきたいと思います。

最近、能力がないにもかかわらず、修正手術を行い悪化させる医師の数が非常に増えています。修正手術を担当するためには、一般的な手術に習熟するのみならず、修正手術独特の技術も身に着けていないと対応不能だと思いますので、担当医選びは慎重に行っていただきたいと思います。

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