プログラムと著作権(第1回) - 企業法務全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
河野特許事務所 弁理士
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プログラムと著作権(第1回)

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プログラムと著作権 (第1回)
〜Mac互換機の違法性〜  河野特許事務所 
2008年10月17日 弁理士 岡田 充浩

1.はじめに
 米国では、Psystar社がApple社の許諾なしにMac OS X(以下OS)をプリインストールしたMac互換機を製造販売して話題となっていますが、このようなMac互換機は、現在、日本において製造販売されていません。以下その理由を解説致します。

2.OSをプリインストールする行為
 プログラムの著作物(著作権法10条1項9号)であるOSの複製は、著作権者であるApple社及び利用許諾者が行う(法21条)ほか、リカバリディスクを適法に購入した者が自ら使用する場合に行うことができます(法47条の2第1項)。しかし、Mac互換機の販売者がApple社の許諾なしにリカバリディスク内のOSをMac互換機のHDDにプリインストールする行為は、自らが使用するための複製とはいえず、海賊版のディスクを作成することと同じであってApple社の著作権を侵害することとなります(法21条)。  

3.Mac互換機とOSとを分けて販売する行為
 例えば、OSがインストールされていないMac互換機と正規版のリカバリディスクとを販売する行為は、著作権を侵害することとなりません。しかし、契約自由の原則により、プログラムには、著作権法の強行規定に反しない範囲で使用許諾契約(以下EULA)を付することができます。Apple社は、自社が販売するMacintosh以外のコンピュータにOSをインストールし、使用し、他の者にこれらの行為を行わせることを禁止しています。従って、正規版のリカバリディスクであってもMac互換機にインストールさせる目的で販売する行為は、Apple社のEULAに違反するので、販売者は、債務不履行による民法上の責任を負わされることとなります。

(第2回に続く)
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