オール電化が、エコとは限らない - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

本田 明
有限会社ほんだ建築 代表取締役
滋賀県
工務店
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オール電化が、エコとは限らない

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ケンチクつれづれ
いつか書こうと思っていたのですが、まとまったデータの提示が
中々出来ないので遅れ遅れになってしまったことがあります。
それは、オール電化が、実際はエコでもないらしい いうことです。
黒木瞳さんはご存じないかもしれませんが。(関西電力のCMのこと)

久しぶりに、自立循環型住宅のホームページを見ると
自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機の省エネルギー効果について
という報告のページを見つけました。(以前からあったようです)
自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機とは、
メーカーがエコキュートと名付けている機器のことです。
そのグラフを見ると一目瞭然なのですが、
ガス燃焼器具に比べて、エコキュートタイプのオール電化システムは、
特段エネルギー消費が少ないわけではないことがわかると思います。
省エネモードで運転すればOKなのですが、それ以外の運転形式だと、
トントンか逆に多くのエネルギーを使う結果になっているのが良くわかります。

そのページの後の方に、
エネルギー消費の少なくなる運転の仕方が詳しく解説されていますので、
現在その設備を使っておられる方は、最後まで、よくご覧下さい。
使い方の基本として、前日の深夜電力で暖めたお湯はその日の内に使い切る
それぐらい湯量に設定しておくということのようです。
当たり前のことで、使わないお湯を何日も温めなおす事自体
エネルギーのロスになっているということです。

電気の使用量などから統計で取り出した自分のデータでも、
オール電化の住宅の方が、CO2排出量が多く、最初は疑問に思って、
計算ソフトに間違いがあるのでは?と、
自立循環型住宅研究会の事務局に尋ねたほどです。
その後、研究会でどの方の報告でも、そのような傾向があるという
結論に達していて驚いたものです。

良く考えてみれば当然かもしれないのですが、
電気というエネルギーは、必要な時も必要でない時も常に発電され、
かつ、遠くの発電所からの送電にもそれなりのロスがあるようです。
深夜電力がお得だからといっても、
それは、電気会社の価格設定がお得なだけであって、
エネルギーを消費していることには変わりはないのです。そして、
そのようなエネルギーを使って造ったお湯を一日ためておいて使う、
というところにもエネルギーのロスがありそうです。
必要な時に必要な分だけお湯を沸かす、ガス給湯器の方が、
本来的にはエネルギーロスのない方法のようです。
(ガスというものを各住宅に配達する移動のエネルギーを込みにしても)
しかもこれは、エコキュートを使った時の比較であって、
オール電化でも、深夜電力温水器の場合は
もっとエネルギーを使ってしまっていることになるのです。

私の結論
エコキュートを使ったオール電化は、それなりに意味があるが、
深夜電力温水器を使ったオール電化は、ほとんどの場合
エネルギー消費が多くなる環境には良くないシステムである。

ここで悩ましいのは、現在のところ実際の費用を比べてみると、
明らかにオール電化の方がランニングコストが安いことです。
電気会社の宣伝によると、
IH器具とエコキュート機器の増加の費用が5〜8年で回収できる、
というのも、あながち間違いではない結果のようです。

そして、最後にもう一つ。実際のレポートで見られる傾向が、
そのような、エコらしい機器を導入した家庭が
そんなにもエネルギー消費が少なくなっていないという結果です。
結局、
そのような大きな設備投資をするような家は、基本的に大きかったり
またお金にも余裕があるせいか、ランニングコストも気にせず、
そのような設備やエネルギーを、
床暖房など快適に過ごすための使ってしまっているようなのです。
結局、小さい家で、従来のガス器具をつけ、ローコストで
断熱的にもそんなに良くない住宅で生活されている方の方が
色々なことにガマンしてつつましく生活されている、その事の方が、
全体的にはエネルギー消費が少なくなる傾向にあるようです。