- 堀江 健一
- カウンセリングルーム エンパシィ 代表責任者
- 東京都
- 恋愛恐怖症・心の問題カウンセラー
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映画
「イミテーションゲーム」
を題材にLGBTに関してのお話を書いています。
LGBTとは、レズ・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダーの頭文字をとった総称であり、これらの人々などのセクシュアル・マイノリティ(性的少数者)を指します。
電通ダイバーシティ・ラボの2012年の調べ(約70,000 人にスクリーニング調査を実施)では、日本の人口の5.2 %存在すると言われています。
前回の終わりでは、身体的にも性的な嗜好も男性なのに、脳の働きが女性寄りの人もいる(女性なのに男みたいな脳の人もいる)という話を書き、私もどちらかと言うとかなり女性寄りの感性があるように感じているというお話を書きました。
その続きです。
今日は、私の幼少期のお話しで、
少し一般的な男の子らしからぬ傾向があったのかな?
と言うことについて、紹介してみたいと思います。
まだ幼い時期から男女の性差というのは、徐々に現れてくるものです。
外見的身体的な差は第二次性徴期である男子9歳位から、女児は7歳位から、男の子は男の子らしく、女の子は女の子らしい特徴がみられるようになります。
外見以外ではもっと早いうちから、男の子は男の子らしく、女の子は女の子らしい特徴がみられるようになりますよね。
例えば、男子はブルー系統の色を好むし、女子はピンク系。
よくしゃべって、家の人や近所の人の口調や仕草を真似ておままごとや、お化粧に興味を持つのは女子ですし、
男子は、怪獣ごっこ(今だったらやはりゲームになってしまうのでしょうね)やスポーツなど、身体を使ったコミュニケーションの方が多いのではないでしょうか?
各家庭の躾とか、親の好みによって、子供の傾向も左右されるとは思いますが、おおむねね
「女の子なんだからピンク色の服を着なさい!」
と特に指導しなくても、自然の摂理で女子はピンクが好きになるように、生得的な傾向が自然と現れるものです。
逆に、男の子だからと言って、
「お前は青や、茶色の服を置きなさい」
と強制されて、嫌だったと言う方もおられました。
「本当は、可愛いピンクが着たいのに!」と。
私が子供の時育った昭和の時代では、
めんこ
ちゃんばら(おもちゃの日本刀や新聞紙で丸めた棒で剣道みたいなことをして遊ぶ)
プロレス
野球
スーパーカー消しゴム
ドッジボール・キックベース(野球用のボールではなくてサッカーボールを使った変形野球ゲーム。打順が回ってきたバッターがホームベース付近からサッカーボールを足で蹴り出す)
仮面ライダー
ドロケン(参加者が泥棒と警察に分かれて行う鬼ごっことかくれんぼの合いの子のようなゲーム)
ドリフターズの8時だよ全員集合!
ブルース・リー
銀球鉄砲とかモデルガン
などが流行りました。
みんなで集まって遊んだり、ゲームをしたりすることには特に違和感なく楽しむ事が出来ていました。
ただ、ドッジボールはボールで狙われたり、逃げたり、ボールを受け止めたりと、かなり身体能力を必要とするものなので、あまりやりたいと思う部類のゲームではなかったですね。
今考えていて、何で好きではなかったのだろうと改めて考えてみると、
「実際に人にボールをぶつけたり、ぶつけられたりを真剣にする」
と言う事を苦手に感じていたかも知れません。
早い話が「闘争心」というものが、あまりないのです。
女子でも参加していましたから、男女差はないのかも知れませんが、昔も今も
「人と争ったり、競い合う事」には抵抗があります。
かけっこでも、運よく一番にゴールを切れそうでも、何か
「一番は他の人でも良いや」
みたいな気持ちがよぎり、ゴール寸前で失速して2番になってしまったりしました。
でもメンコやおはじきなど、物を取ったり取られたりするゲームは好きでした。
トランプを始め、ボードゲームなども好きでしたから、ゲーム上で行われる頭の中だけの勝負なら、抵抗がなかったのでしょう。
だから出世争いやノルマがあるビジネスマンやセールスマンになりたくない、なれないと思っていました。
母親も、お前は向いてないねと言っていたくらいです。
スポーツに関しては、「野球」にはまったく興味が持てませんでした。
父親が巨人軍のファンで、「巨人の星」もリアルタイムでアニメを観ていて、ドラマとして野球が描かれているものは好きでしたが、
実際プレーしたり、観戦することには無関心で、地域の少年野球チームに入れられたことがありますが、ほとんど練習にも出ないまま、買ってもらったユニホームだけが残ってしまい、親に申し訳ない気持ちになった記憶があります。
球技全般あまり好きにはなれません。
「自分が失敗したら、チームメイトに迷惑がかかってしまう」という想いが強くて、体育の授業のサッカーでもバレー・バスケでも、練習して出来るようになっていくのはまだ面白いとも思いましたが、試合などでは、「どうか自分のところにボールが来ませんように!」とひたすら祈るばかりでした。
だから、一人でやる「陸上」とか「水泳」とかの方が、よほど気が楽で、楽しめていたように思います。
これは男女の脳とは関係ないかも知れませんが、マラソンをはじめとする陸上競技など、個人プレーが得意な人には、少なからずこうしたコンプレックスがある場合もあるように思います。
大きくなってから、みんなで輪になって和気あいあいで、バレーボールをして、
「バレーボールってこんなに楽しいんだ!」とびっくりしました。
一人っ子であったと言うことも大きく影響しているかも知れません。
男子女子共に、兄弟がいると、自然と兄弟げんかというものをすると思いますが、
「争う・競う」という場面には合わないで済みました。
まぁ例え兄弟がいたとしても、その頃の私の性格からしたら、ケンカにならなかったかも知れませんが。
ですから一人で遊ぶことに慣れていましたね。
レゴが家にありましたが、レゴさえあれば何でも好きなものを作って、勝手に物語を空想しながらいくらでも遊んでいました。
後は絵を描いたり、砂場で何か作ったり。
静的な遊びが多かったように思います。
何かを作る事は好きでしたね。
プラモデルも全盛だったと思います。
プラモデルをちまちま作っていくこと自体は好きで完成させるのも楽しみなのですが、肝心の出来上がるものが戦車だったり、お城だったり、船だったり、ロボットだったりするわけですが、その戦車や船やロボット自体にはあまり興味が持てなかったりして、少し不満に思っていました。
戦車が好きだから戦車のプラモデルを作っていたわけではないのですね。
仕方がないから人体模型やマンモスの骨格模型を作ったりして、少し薄気味悪い子供だったかも知れません。
あと、不思議なくらい「モデルガン」など拳銃には魅了されました。
その機能美というか、形が美しいと思ったのです。
独特のカーブと、ごつい直線とが混合したデザイン。
さて一番問題になるのが、会話によるコミュニケーションです。
一言で言って女子とはおしゃべりが抵抗なく出来るのですが、男子だと「何を話せばよいのか」と最初は戸惑うのです。
何しろ男子は、その時々で流行っているグッズやテレビの話くらいしかなく、主な話題と言えば「野球の試合結果」とか
「プロレス技」とか
ブルース・リーの「ヌンチャク」がどうとか、
仮面ライダーの「今回の怪人」がとか、
「サイクロン号」がどうとか、
消しゴムの「スーパーカー」がなんとかいう話ばかりです。
野球もプロレスもスーパーカーもまっっったく興味がありません。
って言うか知りません。
話題を振られても「はー」と生返事するしかありません。
これは大人になった今でもです。
仮面ライダーはかっこいいと思います。
怪人もユニークなデザインで面白いと思います。
ですが、臆病で怖がりのために、怖くてテレビを観られません。
だからどんなストーリーだったのかわからないんですぅ。(もっと大きくなってから、再放送では観る事ができましたが)
だからライダースナックを買って、おまけの「ライダーカード」を集めて話題について行っていました。
ブルース・リーもかっこいいです。
その華麗な技やヌンチャクを扱う手さばきにはほれぼれしますが、戦うシーンが怖くて、映画を観に行けません。だからやっぱりストーリーがわかりません。
友達と「アチョー」とか言いながら、木の棒を鎖でつないで作ったお手製ヌンチャクでカンフーごっこはしましたが、内心では
「こんな硬い木の棒振り回して、危ないじゃないか?そもそも面白いのだろうか、これ」
と思いながら遊んでいたように思います。
しかし、どんな時でも友達と話が合う話題がありました。
ドリフです。
ドリフのギャグさえ知っていれば、当時の子供たちは友達になれました。まさに国民的番組です。
PTAは「ちょっとだけよ~」という加藤茶のギャグに、眉をひそめていたようですが、何の事かまったく子供は意味が通じなくても大爆笑です。
不思議なものですよね。
意味がまったくわからなくても、大爆笑できるんですよね子供って。
今思うと、ドリフに限らず、けっこうきわどい下ネタで、子供は笑っていたと思います。
「あのねのね」のギャグとか。
現在の子供達は、「人気のあるゲーム」や「人気のあるアニメ」を見てていれば、とりあえず友達にはなれるみたいです。
良くも悪くも、あまり男子・女子と言うことを意識しなくても、共通のコミュニケーションツールとして、一緒に遊べることでしょう。
でも、逆に言えば、「ゲーム以外」「アニメ以外」の話題が、あまりないのではないかと思うことが、少年のカウンセリングをしていても感じることがあります。
ゲームに興味が無い子は、何を話題にして友達を作るのでしょうね?
苦労してしまうかもしれません。
ひょっとすると、男子より女子との方が、もっと仲良くできたかも知れませんが、
あんまり女の子と仲良くしていると、からかわれたり、いじめられたりしかねません。
どちらかと言うと、40歳過ぎてから位の方が、男性との付き合い方が苦手になっているように思います。
共通の話題が何なのか?
一層よくわからないからです。
前からの友達同士だったら構わないのですが、初対面の大人の男性同士って、何の話するんでしょうね?
まぁもちろん時事ネタとかあるんでしょうが。
大人になると男性同士だと、
どっちが社会的地位が上なのか
とか、まず探りが入ったり、アピールが入ったりします。
ヒエラルキーがはっきりしないと不安になるのが男性の特徴とも言えます。
動物的といえば動物的。
犬でもサルでも、弱いものはお腹を見せたりして、強いものに「敵意がないこと」や「服従」することを態度で示します。オスの本能なのですね。
へたなお見合いパ-ティーより、よほど男性同士の方がへんな火花が散るように感じます。
ありますよね、そういうところ。
その点女性と話をする方が自然に感じます。
相手の年齢はあまり関係ありません。
でも安心感があるのです。
友達でバイク乗りがいます。
しかもバリバリのハーレーダビッドソン。
何かと「ワイルドさ」を誇示しないといけないところがあって、実は疲れる。
虚勢をはらないと「なめられる」のです。
堀江と飲んでるのが一番気軽だよと言ってくれます。
例えば俳優の的場浩司さんなどは、演技をするときは「ザ・漢」という男性性を前面に出していますが、実際はお酒は飲めず、スイーツが大好きでで、本まで出しています。
男っぽく見えて、実は女性的な面もある、
ということが、好意的なギャップとして周りからも受け入れられる方は幸いですが、
中には「女の腐ったような奴(本人も屈辱的だし、女性全般にも屈辱的な言い方ですよね)」とか
「オカマ」とか、呼ばれて、いじめの対象になってしまう不運に見舞われてしまう人もいます。
海外では、傭兵として「ウルフ」なんて怖いニックネームが付けられて、敵からも味方からも恐れられていた一流の兵士が、
中年を過ぎてから
「やっぱり自分は女性として生きて行きたい」
と決意して、性転換した例などもあります。
実際は女性的な人ほど、表面的には「男であろう」と努力して、わざと男を強調したスタイルや言動をしまうようなこともあるのかも知れません。
自分は「性同一性障害だ」という悩みにまでは至らないまでも、潜在的に、自分の性に違和感があり、なぜか周りにいる男性集団や、女性集団となじめない、恋愛もどうもしっくりこないと言う方もおられるようです。
次回は、自分の感性が、男性寄りよりなのか?女性寄りなのか?を考えてみるヒントになる心理テストがありましたので、ご紹介してみたいと思います。
自分が男性的なのか、女性的なのかの特徴を知ることで、コミュニケーションの仕方にも違いが出てくるようです。
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このコラムの執筆専門家
- 堀江 健一
- (東京都 / 恋愛恐怖症・心の問題カウンセラー)
- カウンセリングルーム エンパシィ 代表責任者
何より優しく共感を持って、あなたの味方になります
2021年公認心理師(国家資格)取得13年間で1万人以上の相談実績を基に、深く人を理解し心のもつれた糸を解きほぐします。恋愛が出来ない、自己否定感、人と接するのが怖い、夫婦間の亀裂など、人間関係全般、アスペルガーの方の社会適応などのご相談。
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