- 田中 香津奈
- かづなFP社労士事務所/株式会社フェリーチェプラン 代表取締役
- 東京都
- CFP・社会保険労務士
対象:保険設計・保険見直し
がん保険はがんに特化して手厚く保障する医療保険の一種です。保険の対象をがんに絞っているために、保険料は医療保険よりも割安になっています。ただ、勘違いしやすいのは、がんによる入院・手術は通常の医療保険の保障対象であり、がん保険に加入しなくても給付金が支払われるということです。
医療保険が1入院30日や60日といった支払日数に制限ある入院給付金なのに対し、がん保険は、入院給付金の支払日数が無制限となり、入院しなくてもがんと診断された場合にまとまった金額の診断給付金が支払われます。
また、医療保険の基本的な保障内容に通院給付金はなく、あったとしても入院した後の通院という条件が多い中、がん保険では医学の進歩によって入院・手術という治療法から抗がん剤治療といった化学療法や放射線治療など入院せずに通院での治療をするケースも増えているため、通院給付金がある保障内容が多いです。
がん治療は陽子線治療など健康保険の対象外の先進医療を受けることも想定されます。先進医療を受けた場合の技術料を全額支払ってくれる先進医療特約を医療保険やがん保険に付加できる保険会社が多いですが、同一保険会社の場合、どちらか一方しか付加できません。がん保険と医療保険と別々の会社で加入すると、各社から先進医療特約の給付金が支払われます。
がんという病気の特徴に合った保障内容でかつ、保険料を抑えられるというメリットがあります。
がんは細胞の核の中に遺伝子(DNA)が傷ついて起きる病気です。
「がん保険は必要?」を考える上では、がんについて知ることが大切です。
厚生労働省の人口動態統計によると、がんは昭和56(1981)年に脳血管疾患を抜いて死因のトップとなってから常にその座を維持し、一貫して上昇を続け、近年では全死因の約3割を超えています。また、一生のうちがんと診断されるのは約2人に1人の確率と言われています。
「私はがんにならない」「私はがん家系ではない」という方もいますが、日本人の2人に1人はがんになり、約3人に1人ががんで亡くなる時代です。降水確率なら50%です。もし、天気予報で降水確率が50%や30%なら傘を持ち歩く人が多いのではないでしょうか?ならば、がんに備えない手はありません。
やはりがん保険は晴れた日に買っておくべき重要な傘です。医療保険でも、がんへの保障はありますが、入退院を繰り返したり、入院が長期化すると保障対象にならない場合もありますので医療保険だけではカバーしきれないのが現状です。
がん保険は、同じような保障内容に見えても、各社によって保障範囲が異なります。診断給付金は1回限りか、複数回か、通院給付金は入院を前提としているか、前提としていないのか、などさまざまです。また、無料付帯サービスなども見逃せません。保障内容だけでなく、付帯サービスもあわせて比較することが、がん保険を選ぶときのポイントとなります。
がんにかかる確率は高いため、医療保険よりがん保険を優先することも検討しましょう。
ここがポイント!
医療保障の中には、医療保険とがん保険もあります。がん以外にもお金がかかる病気はたくさんありますが、やはり死亡原因第1位のがんには最低限備えておきたいものです。
(2015.5.21公開)
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