- 石橋 大右
- 株式会社和上ホールディングス 代表取締役
- 大阪府
- 住宅設備コーディネーター
対象:住宅設備
- 松林 宏治
- (住宅設備コーディネーター)
- 松本 秀守
- (住宅設備コーディネーター)
宇宙太陽光発電という壮大なプロジェクトがあります。
宇宙空間に太陽光発電所を設置して、そこから無線で送電する技術で地球上に電気を送るというもの。
そんなことが可能なのかという時点で不思議に思う方も多いと思いますが、実は技術的、理論的にはすでに可能であることが実証されています。
そもそも人工衛星の動力源は太陽光発電で、24時間太陽光を浴び続けることができる宇宙空間の利点がよくいかされています。地上だと天候と昼夜の時間的な制約に左右されてしまいますが、宇宙空間にはそれがありません。
ある試算だと宇宙空間での発電量は地上の10倍以上になるとか。
そして肝心の送電技術ですが、宇宙空間にある発電所からの電力はマイクロ波に変換して地上に送り、地上でそれをキャッチして電気に変換するというのが技術的なバックボーンです。
すでにマイクロ波による送電技術はある程度確立しているので、これだけを見ると今すぐにでも出来そうな気がします。
宇宙空間にある広大な発電空間は、言わば資源です。
これを有効活用する技術を確立した国が、次世代のエネルギーで主導権を握れるとあって、世界の主要国はこぞって技術を競い合っています。
その中には、日本も含まれています。
日本の他にはアメリカやロシア、中国などどこかで聞いたような主要国がしのぎを削っているわけですが、ここに来てアメリカが脱落しそうです。
莫大すぎる開発コストを捻出できないのが理由で、NASAの予算から外れることになったようです。
あまりにもSFの香りが強いプロジェクトなので、いったいどれくらいのお金が掛かるのか想像がつきません。
そのため試算も色々と意見が異なり、部品の打ち上げだけで5兆円かかるという驚きの試算もあります。さすがに5兆円もかけて実現するほどのプロジェクトだとは、私も思えません。
100万キロワットクラスの宇宙太陽光発電所を建設するには、2キロメートル四方の太陽光パネルが必要になるそうで、これもかなりの障害になることは間違いありません。
まずはロケットで何度かに分けて低軌道上に部品を打ち上げていって、そこで地球を周回しながら組み立て、組み立てが完了したら高軌道に乗せる・・・そんなことが本当に出来るのかと思ってしまいますが、今問題になっているのは技術よりも予算なので、日本が持っている宇宙技術はすごいですね。
ちなみに、このプロジェクトを推進しているのは経済産業省です。
つまり、国です。国家的なプロジェクトとして進められているもので、ゆくゆくは原発に代わる安定的な電源にするというところまでプランが描かれています。
まだまだ現実味はかなり低く、日本が開発競争から脱落する可能性も多々あるのですが、これが実現すればエネルギー問題を根本的に解決できる可能性も秘めているので、日本がSFを現実にする日がくることを願って止みません。
このコラムの執筆専門家
- 石橋 大右
- (大阪府 / 住宅設備コーディネーター)
- 株式会社和上ホールディングス 代表取締役
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