- 石橋 大右
- 株式会社和上ホールディングス 代表取締役
- 大阪府
- 住宅設備コーディネーター
対象:住宅設備
- 松林 宏治
- (住宅設備コーディネーター)
- 松本 秀守
- (住宅設備コーディネーター)
太陽光発電で生産された電気を固定価格買取制度で電力会社に売電すると儲かるということで、大量の電気を生産する、非住宅用の産業用太陽光発電設備の申請が相次いでいます。
ところが、ここで2つの問題が生じました。
その1つは申請・認可を受けて、売電の権利を持ったままで、実際には発電設備の設置作業を見送っているケースが多いことです。
これは太陽光発電システムの価格が下がるのを待って、安くなってから設置をしよう、しかし売電価格は申請・認可時のものなので現行の価格より高いという、投機的な性格を持った考えです。
中には初期の売電価格が高かった頃の権利を転売して儲けようとする人まで出てきました。
これはまずいということで、経済産業省がそのような場合は申請認可を取り消すという手段にでました。
もうひとつの問題はこの逆で、太陽光発電設備を設置して発電はできるが今度は電力会社が買取りに応じないという事態が起きています。
これが電力会社の接続保留ですが、これはそこまで神経質にならなくてもいいようです。
と言いますのは、先ほどの問題であった太陽光発電システムの未設置分に対する申請認可の取消・廃止が相次いだためもあり、実際には非住宅用太陽光発電設備からの売電量は電力会社が危惧するほど大量ではないのです。
資源エネルギー庁の発表によると、太陽光発電での売電が2014年8月は過去最低の水準に落ち込み、非住宅用太陽光発電の売電量は全国で2万kWしか増えていないのです。
九州電力は2014年9月から買い取り制限である接続保留に乗り出しましたたが、それよりも前に売電量は減っていたのです。
非住宅用の太陽光発電は7月には30万kWでしたが、8月にはわずか2万kWへと一気に縮小しているのです。
このような事態にもかかわらず、北海道、東北、四国の3つの電力会社も10月から九州電力にならって接続保留の対応を開始したのは、現実をしっかりと見極めない、時期尚早の対応だと言えるでしょう。
国の政策に掲げられている新エネルギー推進に水を差すようなことを公共インフラである電力会社が自己保身に走るような行為はあってはならないと思います。
このコラムの執筆専門家
- 石橋 大右
- (大阪府 / 住宅設備コーディネーター)
- 株式会社和上ホールディングス 代表取締役
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