成”幸”学の専門家「変えるべきものと変えていけないもの」

日立製作所中央研究所に入社し

半導体の研究をしていました。

私が勤めた１９８０年代は
日本が世界のシェアの半分以上を占めている時でした。

最先端の製品を開発しようと日夜、

研究に没頭していました。

研究を進めるにあたっては、

まさに失敗の連続です。

１０個の仮説を立てたとして、

それを実験で試しながら結果を確認する。

１０個やってみて１つ成功すればいい方です。

「成功するまでやり方を変えてトライする」という
地道な作業をコツコツと進めました。

仕事は順調で、やりがいはあったのですが、
父親が高齢になったことと、

長男であると言うことで、

会社を辞めました。

家業に戻った最初の頃は、

社員たちからは警戒心を持たれていました。

まず最初にやったことは、

その時代に知って欲しいキーワードを
自分で解説を付けて社員に配りました。

また、提案箱を設置して、

積極的に社員の声を聞きフィードバックしました。

１年程続けた時に従業員との間の垣根が次第になくなって、
信頼感が芽生えていきました。

また、

代々続く豊島屋の経営方針と行動指針をまとめた
クレドカード（信念や信条を記したカード）を作りました。

行動指針は『不易流行』で、信用、品質、暖簾など
守るべきもの（不易）は頑なに守り

マーケティング、販売チャネル、商品開発など時代に応じて、
変えるべきもの（流行）は大胆に変え、

日々商売に取り組んでいく・・。

当然、思い通りに進まない、

うまく行かないこともたくさんありますが、

困難にぶつかったときには、

「今は修行しているんだ。
先人達の苦労の後に自分があり、

必ず今の努力が将来に生きるんだ」 と
自分を信じて行動しています。

その上で「なんとかなる！」という

楽観的な部分をもってやっています。

吉村俊之氏の言葉から学ぶものはたくさんありますが

私たちも人生に於いても、
『日々、変えていくものと変えてはいけないもの』を考えて
行動することではないでしょうか。

例えば、

『志や人生の目的』は変えていけないのではないでしょうか。

しかし、

目的達成の為の手段や方法など日々、

進捗状況に合わせて
変えるべきではないでしょうか。

ですから、常に、
「これは変えてはいけないものか・・」、

「これは変えるべきものか・・」と
自問自答しましょう。

そして、

紙に書き留め言葉にしましょう。