- 中舎 重之
- 建築家
対象:防災
- 松島 康生
- (危機管理/BCP/防災計画コンサルタント)
- 松島 康生
- (危機管理/BCP/防災計画コンサルタント)
・地鳴り
中国の1500年前の「魏書 霊征志」には、「地面から雷のような轟音が鳴り響き、
此の音が止み、しばらくすると地震が起きた」と記録されている。
これ以降も中国各地の歴史書などに、地鳴りと地震の記述があるという。
近年では、唐山地震の前にかなりおおきな地鳴りが観測されており、震源地から
100km以内の住民の95%が地鳴りを耳にしていた。
但し、地震の前兆現象と気づきながら避難が遅れて被害にあったようです。
地鳴りの音も千差万別で、雷のような音、風のような音、爆発音、機械的な音、
木を折るような音、布を引き裂くような音と様々です。
「地電流、電磁波による現象」の話です。
・地電流
地電流の観測では、ギリシャの「VAN法」が知られています。
ギリシャも大昔から地震に悩ませられていて、1981年に地電流の観測を始めています。
「VAN法」の名称は、アテネ大学の物理学者3人の頭文字から取られているとの事です。
岩石に圧力が加わると内部に電流が流れることから、地電流の研究が始まったようです。
1988年に地震予知に成功して、1995年までに「VAN法」の活用により
70%以上の確率で予知を的中させているとの事です。
台湾も岩石が多く、ギリシャに似た地殻ですので、「VAN法」にて予知を的中させています。
日本では、東海大学と金沢大学のグループが「VAN法」を研究し観測を続けています。
金沢大学の観測所は能登半島の先端にあり、600km離れた奥尻島での地震
1993年の北海道南西沖地震M7.8の前兆現象をキャッチしていました。
ですが、300km離れた淡路島の地震、1995年の兵庫県南部地震M7.1の
前兆現象は観測されませんでした。
当方が考えるのに、淡路島と能登半島の間には、大阪湾ー琵琶湖ー日本海と断層
があり、淡路島があるプレートと能登半島のプレートは別なものであり、
日本列島の複雑の地殻が「VAN法」の 応用を阻害していると思っています。
・電磁波
電磁波の異常については「大地震や火山活動に伴う、地下の電磁波が変化する事は、
多くの学者により確認されています」 つまり、地下の岩石破壊などから発生する
磁気が空中に流れ出て、テレビなど電化製品に影響を与えるケースが多数観測されています。
1966年4月、旧ソ連のハサカン地方を襲った地震の前に「蛍光灯が昼間突然ついた」という現象が、
地元の電力会社に多数寄せられています。
電磁波による前兆現象は、地震の2週間近く前から起きる。此の時の微少破壊は
計器では検出できないが、一部の動物や植物は此を捉えていると云います。
その後、電磁波による現象は地震の6~9日間にピークとなり、いったんは沈静化
して行くが此の間には、多くの動物たちが騒ぎ、雷や地震雲が発生したりします。
再び電磁波による地震の前兆現象が現れるのは1日前からで、
地震発生の1~2時間前に2番目の大きなピークを迎えるとの事です。
民間でアマチュア無線を活用して電磁波異常をキャッチしている人がおります。
「宮城県ハムサロン」を主宰する小林さんです。
もう一人は愛知県知立市に住む松本さんです。
「動物、植物に起きる現象」の話です。
地震の前に動物が普段と違う行動を取ることは良く知られています。
これを人間は 「異常行動」と表現しますが、これは異常どころか、大地の異変、身に迫る危険を
察知して、本能として自然にふるまう姿なのです。
人間にも、こうした危険を予知する能力が有るはずなのですが、何故か退化してしまっています。
悲しい事です。
当方は、五感を研ぎ澄まし、第六感も働かせるのは、此の災害多き日本列島に
住む人間の欠かせない必要能力と思っています。
次に、動物の異常行動の例を記します。
◎イヌ
番犬としての人に接するイヌには、異変を主人に知らせて、一緒に危機を 逃れようとする性質があります。
いつもはおとなしいイヌが地震当日、吠えつづけるので、主人がイヌを叱ろうと 家から出て見ると、
遠くに青白い光を見ました。
此は地震の前兆だろうと思い、家族を起こして外に出た時、大地が激しく振動しました。
揺れが収まってから家を 見ると、家はすでに潰れていたとの報告でした。
此の話は中国・唐山での事ですが、旧ソ連の1948年アシハバード、1966年のウズベクスタンでの地震でも
同様な報告が出ています。
但し、イヌもペット化して家の中で育つと、イヌは脅えて動きが鈍くなるようです。
五感と行動が、人間なみに退化してゆく様です。
◎ネコ
地震前のネコの行動はイヌとは対照的で、だまって家からいなくなり、地震が収まり安全になってから
戻ってくるようです。子連れのネコは子供を引き連れての避難です。 面白いですね。
◎ネズミ
ネズミはネコと同じ様に、さっさと避難します。家から逃げ出すネズミの写真があります。
沈没する船から逃げ出すネズミの話を思い出します。
◎大型哺乳類
ウシ、ウマ、ブタの大型の家畜は、地震の前には落ち着きがなくなり、食欲も落ち、
鳴き続けたり、柵の外へ逃げようと暴れるらしいです。
大型の動物は概して反応が鈍く、地震の直前での行動のようです。
◎ヘビ
ヘビが一番早く地震の発生を知らせてくれるようです。地震の1ヶ月も前から異常
な行動を取るとの報告が多数寄せられているようです。
◎ハト
787年の長安(現在の西安)で大地震が発生した。その数時間前に多数のハトが
遠くへ飛び立ったとの記録があるようです。
ハトの研究で判明した事は、M3以上の地震が起きる時、震源地から半径50km
以内にいるハトは危険を察知して、24時間前までに其の場を離れるとの事です。
◎ニワトリ
ニワトリは空を飛ぶ能力を失っていますが、危険を避けるために数メートルも飛び
上がり木の枝に避難したとの報告があります。 アヒルも同様との事です。
◎魚
海に住む魚では、イワシの大群が関東大震災の前日に横浜港に押し寄せた。
1933年の三陸沖地震M8.1の地震の前に岩手県宮古でカレイが大漁だった。
池や沼に住むコイが一斉に何かに驚いたかの様に飛び跳ねていた。
当然、ナマズも騒ぐ例が、各地の水族館から報告されています。
植物に起きる現象は、戴 峰著「大地震は予知できる」 からの転記です。
・1668年、山東省郯城大地震の前 春の咲いた桃の花が、秋にも咲き、実も沢山なった。
・1852年、山東省郯城大地震の前
竹の花が咲いた。竹が花を付けるのは、60年に一度と云われ昔から「不吉」なものとされています。1976年の唐山地震の前にも同じ現象があった。
・1971年、長江地震の前。
地震は12月30日の発生であったが、震源地附近では春に咲く花が突然開花したり、秋に収穫した果実が、また実のるなどの異変が続出した。
・1975年、海城地震の前。
地震は真冬に起きたが、此の時、海城県内のあちらこちらで春の草が芽吹いた。
・1976年、松藩地震の前。
リンゴは数日前に収穫を終えた。にも拘わらずリンゴの花が数種類いっせいに開花した。
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