- 小林 裕美子
- ストゥーディオ ステラ 一級建築士事務所
- 東京都
- 建築家
対象:住宅設計・構造
前回は理想のセカンドハウスを持つことをお勧めしましたが、
今回は素敵な別荘生活を謳歌する為に、セカンドハウス「ならでは」の
問題点にご注意!!のお話です。
先ず注意したいのは建具です。セカンドハウスへは良く行ける時と全く
行けない時があります。何ヶ月も放っておいた家に着いたら先ずお掃除・・
と言うのは良く聞く話ですが、貴重な休日を出来るだけ楽しむには、
出来れば避けたい一手間です。
木の建具やスチールの建具、アルミサッシュなど見た目はとても大切ですが、
不在の多いセカンドハウスこそ、建具は外気を遮断する「性能」で選びたい
ものです。台風や潮風など少々の事では何の心配も無い様に
外気をきちんと遮断できる建具を選べば、セカンドハウスに到着した瞬間から
素敵な休日が始められます。
次はやはり防犯対策です。なんと言っても普段は無人の家ですから、
誰かに侵入されたり盗難に会ってがっかりしない様に、防犯対策は
万全にしたいものです。
素晴らしい展望を邪魔されたくないのは分かりますが、外部からアクセス
できる窓には格子を設置したり、よろい戸やシャッター、雨戸など
外からの侵入を防ぐ計画をしましょう。そして玄関や勝手口の鍵は、
ダブルにしておく方が安心です。
また、2・3階まで外からは上りにくい外壁廻りを設計して、
更に2・3階の窓や戸にも1階と同様の防犯をしましょう。
雨樋は雨水による家のダメージを防ぎ、雨水を適当な場所に逃がす大切な
機能がありますが、セカンドハウスにはNGです。特に山や林の中で掃除が
なかなか出来ない家には雨樋に落ち葉がたまって、長い間放っておくと
そこから家が腐敗して壊れる原因になるからです。
セカンドハウスは出来るだけ樋なしで雨水が上手く流れるように計画しましょう。
庇の無い家はシンプルで素敵ですが、これもセカンドハウスにはNGです 。
日当たりの良い家の場合、不在中は雨戸などで陽射しをシャットしても、
家の中には熱気がこもってしまって、家自体にも家具にも良くありません。
滞在中も陽射しが強すぎてカーテンを閉めれば、せっかくの景色も見えませんが、
庇があれば、窓を全開して景色が楽しめます。
庇の無い家で陽射しをシャットするのは本当に困難なことを知ってください。
また、山の中の家で雨のシーズン家自体を守るにも庇は本当に重要です。
草取りなど庭の手入れもセカンドハウスの難点ですね。夏の草取り三昧も
別荘生活の定番です。この労働を極力減らすように庭の計画をすることも
凄く大切なポイントです。
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