神奈川の地震:1923年大正関東地震の話 - 地震・津波(耐震・地盤・液状化) - 専門家プロファイル

中舎 重之
建築家

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:防災

松島 康生
松島 康生
(危機管理/BCP/防災計画コンサルタント)
松島 康生
松島 康生
(危機管理/BCP/防災計画コンサルタント)
松島 康生
(危機管理/BCP/防災計画コンサルタント)

閲覧数順 2016年12月02日更新

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

神奈川の地震:1923年大正関東地震の話

- good

  1. 人生・ライフスタイル
  2. 防災
  3. 地震・津波(耐震・地盤・液状化)

      神奈川の地震:1923年大正関東地震の話

  小田原では、戦国時代の末期1560年から大正時代1923年までの 

363年間に5回の大震災に見舞われています。

最初は1663年(寛永10)3月1日、M7と推定される地震です。

震度は小田原が7、箱根が6、三島が5,江戸は4~5とされています。

 小田原の城と町が、ほとんど破壊され、死者230名とも言われています。

箱根では山崩れ、落石が激しく人馬が死んだとの事です。

熱海、網代、宇佐美は津波に襲われています。


  二度目は1703年(元禄16)12月31日、M8.2相模トラフ北部の境界プレートでの巨大地震です。

「元禄関東地震」と呼ばれています。

 小田原は城の天守閣・城郭、城下町も全潰し焼失しました。

死者は小田原だけで850名との事です。湘南~小田原・箱根~御殿場方面で震度6~7、

江戸でもかなりの被害が出ています。

宇佐美では、引き潮なしの津波に押し上げられ、死者380名との事です。


  三度目は1782年(天明2)8月23日、未明と夕暮れ後に2回起りました。

M7と推定されています。震度6程度との事です。被害は有りましたが軽微の様でした。

津波もありません。但し震度5の範囲は広かった様です。


  四度目は1853年(嘉永6)3月11日、M6.7で震度は6強との事です。

被害は小田原は勿論ですが、足柄平野西部、北部の村々でも被災しました。津波はありません。


  最後は1923年(大正12)9月1日、土曜日のお昼、

1703年以来220年間に溜まり続けたエネルギーが一挙に放出されM7.9の巨大地震が発生しました。

「大正関東地震」です。 東京の惨状が特にひどく「関東大震災」と呼ばれています。

  地震動が強烈だったのは、房総南部~湘南~小田原方面でした。

此の時、房総半島~三浦半島~湘南の相模湾に面した海岸が大きく隆起しました。

隆起の量は、真鶴岬で2~3m、初島で1.8m、江ノ島は海食台が浮上、

三浦半島(城ヶ島)で1.4m、房総半島(館山)1.8mとあります。

  神奈川は激烈な地震動により、木造住宅の30~70%が全潰した所は、

横須賀、逗子、鎌倉、藤沢、平塚、大磯、国府津の相模湾の沿岸です。

70%以上の場所は、横浜の根岸・磯子、相模川西岸、小田原です。

神奈川での家屋の全・半壊は約11万6千棟、焼失は約6万9千棟、

死者・行方不明者は、約3万3千名との事です。

 小田原の根府川では、膨大な土砂が土石流となって河口までの4kmを、

わずか5分で流れ下り、60余戸、400名近い人々を,

厚さ10mの堆積物の下に埋めて仕舞いました。                        

  根府川駅では、駅の西側の山が大地滑りを起こして、

下りの列車とホーム・駅舎を45m下の海中に転落させました。

200名の遭難者のうち生存したのが40名と記録されています。

  震度7は、湯河原、真鶴、小田原~逗子の相模湾北岸、横須賀~久里浜、横浜、房総半島南端部です。

震度6は伊豆半島東岸~静岡県北東部~神奈川県全域と、房総半島西部~南部と広範囲です。


  東京市の被害を記します。

地盤の悪い低地や谷地では、特に激しい揺れが有り、多数の木造家屋を全壊させ、

液状化・地割れも生じました。 

地盤の良い山の手台地では木造家屋の被害が少なく、

土蔵の被害が多くありました。台地の地震の周期が短周期であった様です。

地震による建物の全・半壊は約8千棟と被害は微少です。

東京市での木造家屋の全潰率は4%弱とかなり低い数字が出ています。


  東京市での大災害は火災によるものです。

市部では総戸数の70%に当たる約36万6千棟が焼失しています。

 死者・行方不明者は約6万人で、人口226万人の3%弱に相当します。

被災者は170万人と言われ、人口の75%に相当します。

 山手線の以西では震度5強と推定されますが、多摩丘陵の北側に位置する町田は,

震度6と思われる大きな被害が出ています。


  東京本郷台で観測した余震は、当日午後6時に山梨県東部M6.8,  

翌2日に千葉県勝浦沖でM7.3、最後は翌年1月15日の神奈川県丹沢でM7により終焉しています。


  小田原地震の間隔を記します。

1560年<間隔73年>1633年<70年>1703年<79年>  

1782年<間隔71年>1853年<70年>1923年<91年>現在。

単純計算でも、73年の間隔で地震が繰り返し起きています。

神奈川での地震の切迫性が言われている事に、ご理解頂けると思います。


2014年9月  中舎重之    ホームページ: スーパーフレーム「やすらぎ」 にて検索

 |  コラム一覧 | 

このコラムに類似したコラム

災害時、必携!「帰宅困難対策」⑤外出時に使えるおススメ防災アプリ 松島 康生 - 危機管理/BCP/防災計画コンサルタント(2012/12/13 07:00)

神奈川の地震:1853年嘉永小田原地震の話 中舎 重之 - 建築家(2014/09/09 10:55)

富士山:宝永大噴火の話 中舎 重之 - 建築家(2014/09/03 10:24)

TBSテレビ「いっぷく!」に出演。土砂災害と冠水時の危険 松島 康生 - 危機管理/BCP/防災計画コンサルタント(2014/07/28 23:56)

ハザードマップの落とし穴と正しい理解②(地震編) 松島 康生 - 危機管理/BCP/防災計画コンサルタント(2012/10/04 13:32)