50歳からは人生を楽しむ家づくり  7 - 住宅イメージ - 専門家プロファイル

小林 裕美子
ストゥーディオ ステラ 一級建築士事務所 
東京都
建築家

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対象:住宅設計・構造

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50歳からは人生を楽しむ家づくり  7

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基本的な家のプラン

「家事楽・住楽 2」

今回の家事楽は、収納です。

家の収納に収納力がかなりあることは絶対に必要ですが、かと言って沢山あれば良いという物では

ありません。収納があまり有り過ぎると、不要な物をため込んで必要な物が見つからない、と言うこと

にもなります。収納は一見して中に何が有るか直ぐ分かり、深すぎない奥行きと取り出し易い構造

にして、必要量は全てまかなえるくらいの適量(不要な物はためられない)を確保する事が肝心です。



例えば、家事の中で特に手が掛かるのは洋服の夏物と冬物の入れ替えです。

私が長年住んでいたイタリアは日本と同じ様に四季がありますが、夏冬の入れ替えは有りませんでした。

何故かというと、クローゼットの収納量が夏冬分確保されていたからです。

クローゼットは少なくとも一人2m位必要と言われていますが、出来れば一人3m位欲しいところでしょう。

それがワンシーズンとすると夏冬で必要な長さは一人6m位と言う事になります。

イタリアの様に天井までのクローゼットがあれば、3mのクローゼットの上下2段に洋服が掛けられて

都合6m分になります。従って一人3mの長さのクローゼットがあればOKです。天井高が高ければ、

さらに余った一番下の段にバッグや小物などの収納が可能です。

あなたの家にもこれだけ収納が確保できれば、洋服の夏冬入れ替えから解放されます。

皆さんは一人3mなんてこんな洋服収納は多すぎると思われるかもしれませんが、どんなに素敵な

家を建てても、生活空間に洋服や不要なものが溢れてしまえば、快適な暮らしとは言えません。



この要領で洋服だけでなく、書籍、食器類、ゴルフバッグ、靴や予備の寝具など、生活に必要な

所持品のおおかたの量や大きさをリストにしてみましょう。それらを見やすく、取り出しやすく

収納する事が出来れば、本当の意味で大きな家事楽につながります。

前の項でもお話しましたが、収納量だけでなく掃除のことも考慮して、収納は出来るだけ天井までの

造り付けにしましょう。そうすれば収納量は増えて、掃除は扉の表面だけを拭けば済み、壁のように

なって物の存在感が消えます。何より凸凹が無いので見た目がすっきりして、美しい部屋になります。





全ての物ははただ収納するだけでなく、出し入れを安全に出来るように最初から計画する事も大切です。

特に高いところに入れた物を取り出すには、梯子や踏み台やスライディングの仕掛けが必要です。

書棚や収納棚には梯子をスライドして掛けられる様なスチールバーと、美しくデザインされた梯子等

最初から設置しましょう。洋服掛け等は上段のバーを前に倒して低い位置で洋服を取り出せる

装置をつけたり、クローゼット内に踏み台代わりに、キャスター付き小箪笥などを設置しても

良いでしょう。



尚、ついでですが一頃流行ったウォークインクローゼットなどはあまりお勧め出来ません。

確かに沢山収納できて便利かも知れませんが、一つの部屋として始終出入りする以上、

ただのクローゼットに比べて埃もゴミもずっと多くなりますし、入室する度に点ける照明で

洋服の生地が焼けて傷みます。洋服一枚一枚にカバーを掛ける等すれば、面倒な仕事が

増えますし、クローゼット内の掃除も結構大変です。



どうですか?家づくりの最初の収納計画一つで、すごく大きな家事仕事を割愛できるのです。

家づくりって面白いと思われませんか?
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