特許の常識/非常識(第29回) - 企業法務全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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特許の常識/非常識(第29回)

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特許の常識/非常識(第29回) 河野特許事務所 2008年8月1日
執筆者:弁理士 河野登夫、弁理士 河野英仁


 2.分割出願を積極的に活用しよう。
 分割出願とは、簡単に言うと、一つの出願中に複数のアイデアA、Bが存在する場合に、原出願からアイデアBを削除し、アイデアBについて別出願することである。アイデアBの分割出願の出願日は、アイデアAの原出願の出願日まで遡及する。

 重要なアイデアについては積極的に分割出願を行いたい。つまり、複数のアイデアについて一つの特許を持っているよりも、それぞれのアイデアについて、個別に検討した上で、複数の特許とした方が競業他社に対するインパクトも強いからだ。複数のアイデアをそれぞれ権利化し、特許の網を張り巡らせる。競業他社は権利の迂回が困難となる。また、競業他社が特許を無効にしようとする場合、それぞれの特許について無効審判を請求する必要があるため、その負担も大きい。

 2007年4月施行の改正特許法により、さらに分割出願の利便性が高まった。従来は補正時しか分割することができなかった。改正後は補正時のみならず、特許査定後及び拒絶査定謄本送達後30日以内も分割することができるようになった。特許査定後においても、重要案件については知財担当者と相談し、他社の技術動向を見据えた分割出願を行うことが重要となる。  (第30回へ続く)