- 杉浦 繁
- Atelier繁建築設計事務所 代表
- 愛知県
- 建築家
対象:住宅設計・構造
高い家・安い家・・2
建築家の建てる家は高い?
説明してみましょうか・・
たとえば基礎・・
一般的な住宅の場合基礎は基礎屋さんがつくります。
これはメーカーハウスでも不動産屋住宅でも大工さんの建てる家でもみな同じでしょう。
基礎屋さんはいくつかのパターンの基礎の型枠や鉄筋のセットなどの量産品を持っていてこれらを家の形に合わせてパッケージして現場に持ってきて鉄筋を入れコンクリートをそこに流し込んで基礎を作ります。
規格パターンが決まっているので出来ることです。
逆に言えば・・
規格にないことは出来ないのです。
が・・
我々の設計するような家ではそんな規格よりも家の機能やデザインを優先させます。
つまり規格品では出来ないのです。
そのために土工は土工屋さん鉄筋は鉄筋屋さん型枠は型枠屋さんにお願いして作ることが多い・・
結果、値段も時間もかかることになります。
たとえば室内建具・・
一般的などころか世の中の戸建て住宅のほぼほとんどの住宅の室内建具は工場で大量生産された既製品室内建具です。
最近はデザイン的にも性能的にも本当に優秀な製品が多くなってきました。
ただ既製品は既製品、その家のためだけに考え出されたサイズでも仕様でもデザインでもありません。
それを指物屋さんつまり建具屋さんに一本一本作ってもらう・・
その家にぴったりの建具が出来ますが当然お金がかかります。
こういう造り方を家の各部各部でぜ~んぶしていきますと・・
非常にお高い家が出来上がるわけです。
まあ・・
デザイン系の雑誌なんかに出ている家なんてのはみんなこれでしょう。
実は・・
我々のような建築家なんて人達は本当は全部このような造り方で建てたい!
と思っています。
全てをデザインしたい!
全てに意志を込めたい!
と思っています。
世界に一軒あなただけの家を建てたい!
が・・
残念なことにそんなお金持ちのお客様にご依頼を受けることはそういつもあることではありません。
お金は有限です。
お客様の大事なお金をお預かりして建てるのです。
ほとんどのお客様は普通のお客様なのですから。
ではどうするか?
実は・・
高く出来るのなら安くも出来る。
そこは高くなってしまうがあっちは別に安い物でかまわない・・
それを組み合わせて家を建てます。
全部が全部そう出来るというわけでもないのですが・・
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