- 松原 好克
- 日刊美容液新聞 編集長
- 岐阜県
- スキンケアカウンセラー/美容液研究家
スキンケアカウンセラーの松原です。
「肌に必要なものを一つあげるとすれば何ですか!?」と聞くと、多くの女性が「皮脂」と答えます。本当なのでしょうか…
科学的な研究が進むにつれて、近年少しずつ皮脂の正体がわかってきました。
前々回のブログ
にも書きましたが、皮脂の水分維持の貢献度は極めて低いということはおわかりいただけたと思いますが、怖いのは、肌老化の原因になるということ。
皮脂線から皮脂が分泌されると、時間と共に肌上で酸化して「過酸化脂質」という物質に変わり、悪い影響を及ぼします。
特に、毛穴の開きを促がすことがわかっており、毛穴の開きが連なってシワになることも確認されています。
顔の中で皮脂が多いのは、額から鼻にかけてと鼻の周辺ですが、よく見ると、それらの部位は他の部位よりも毛穴の開きが大きいはずです。つまり、皮脂の多い部位は老化しやすい、言い方を変えると、皮脂の多い部位の悩み(毛穴の開きや肌荒れ)が増えてきたら、肌老化の始まりのサインと言えるでしょう。
ニキビなどの肌トラブルも、皮脂が多い部位に見られるのが特徴です。
では、過酸化脂質はどのように対処すれば良いのでしょうか!?
それは、ご存知の通り「洗顔」です。
実は、洗顔の一番の目的は、この過酸化脂質(古くなった皮脂)を洗い流すこと。皮脂を落としすぎてしまうと乾燥するから、水洗顔だけという人がいますが、乾燥の原因は皮脂ではなく、角質層にある「セラミド」が減ることによって起こります。したがって、洗顔料を使っての洗顔がベター。
ただし、皮脂をしっかり落とそうと力を入れての擦りすぎや、一日何回も過度にやりすぎると、逆に皮脂線が活発化して皮脂の分泌が盛んになったり、潤い感を守る「セラミド」までも落としすぎてしまいますので、一日二回(朝晩)が良いでしょう。皮脂は、洗顔料の泡で優しく転がすように洗えば十分落ちます。
夏は皮脂の分泌が多くなるため、昼間はあぶら取り紙を使いましょう。
ここまで書くと、とても皮脂が悪者みたいなイメージになりますが、良い部分もあります。皮脂膜という膜を作って肌のなめらかさを保ったり、雑菌から皮膚を守る役割があるため、ある程度は肌の上に乗せておく必要があります。
ただ、皮脂は分単位で分泌されていますので、一日二回(朝晩)の洗顔で多少落としすぎても、それほど気にする必要はないということ。
ではまた、次回をご期待下さい!