日本の家の寿命を縮めた石油化学建材 - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

野平 史彦
株式会社野平都市建築研究所 代表取締役
千葉県
建築家
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日本の家の寿命を縮めた石油化学建材

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これからの家づくりの視点 何が日本の家をダメにしてしまったのか?
 さて、日本という高温多湿の環境にあって、木で家を造り続けてきた日本人が、湿気と腐れの関係に敏感であるのは当然で、家を長持ちさせるには湿気を溜めないことが肝要であり、それが日本の木造技術を発展させ支えてきた、という側面があります。

確かに、日本の家はずっと長い間、木・紙・藁・土・漆喰といった自然素材でできていたのです。

これらに共通して言える事は、湿度の高い時は吸湿、保湿し、湿度が下がると放湿するという性質を持っているという事です。

特に、土蔵など、土で造られた厚い壁は、湿気を制御する上で重要な役割を果たしていました。鎌倉期に登場した「畳」にも、イグサのこうした性質が活かされていました。

 しかし、石油化学の発展は、あらゆる住宅部品を自然系素材から石油化学建材に変えてしまいました。

性能にムラがなく、見た目美しい新建材は消費者からも歓迎され、たちまち家は石油化学から産み出された部品でプラモデルのように造られるようになりました。

そして、石油化学建材は自然の無垢の木と違って共通して湿気を通し難い材料ですから、必然的に家の中、そして壁の中の湿気の逃げ道がなくなり、結露の問題を抱えることになりました。

結露はカビやダニを発生させ、構造体である土台や柱を腐らせ、とうとう日本の家はおよそ25年という短命を強いられることになってしまったのです。

「大地に還る家」として私達が「石油化学建材をできるだけ使わない」家づくりを第一のテーマに掲げることにした大きな理由がここにあります。