マネーコラム 2007年9月号 - ライフプラン・生涯設計 - 専門家プロファイル

服部 英樹
ファイナンシャルプランナー

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対象:家計・ライフプラン

伊藤 誠
伊藤 誠
(ファイナンシャルプランナー)
服部 英樹
(ファイナンシャルプランナー)

閲覧数順 2016年12月10日更新

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マネーコラム 2007年9月号

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マネーコラム
「長生きリスク」

敬老の日を前に厚生労働省が発表した100歳以上の高齢者の数が初めて3万人を突破した。
正確には32,295人で昨年よりも3,900人増。
37年間連続で過去最多を更新中である。
ちなみに女性が85.7%、男性が14.3%と圧倒的に女性の比率が高い。

団塊の世代の方達がいよいよ定年退職をし始めるが、40年後には100歳になる。
その時日本は100歳以上の高齢者の数で世界中の注目を集めるであろう。

さて団塊の世代の方達は40年後の物価を想像したことがあるだろうか?
ちなみに約40年前の郵便ハガキの切手代は10円。瓶ビールは180円。国立大学の授業料は年間36,000円。公務員の初任給は月額80,500円。

現在と見比べると非常に安く感じる。ではこれから先40年後をイメージしてもらいたい。

日本は資本主義経済である以上長期的には物価上昇は避けられないであろうし、少子化・高齢化を考えても物価の上昇は避けられないであろう。
そして中国やインドや他の新興国の経済発展により世界的に資源が高騰している中、輸入に依存しているわが国にとってやはり物価上昇は避けられないであろう。

では物価の上昇に対して各家庭はどういった準備をしているだろうか?

日本の家計部門の金融資産は約1500兆円の規模をもつが、その約5割を現預金が占める。
株式や投資信託には15%程度である。
株式や投資信託が金融資産のおよそ半分を占めるアメリカとは対照的である。

5割もの金融資産を現金や預金として保有し、今後の物価の上昇に耐えられるのであろうか?
1年、2年の物価上昇は原油のような急激な値上がりを除けば特に問題ないが10年、20年、30年経った時、ボディブローのように効いてくるであろう。

先月号のマネーコラムで東京都杉並区の山田区長が予算の1割を2%で複利運用して78年後には全ての税収をそれで賄い住民税を無税にする構想について取り上げたが、実は同じような提言をした村長さんがいた。
時は1926年(大正15年)。
宮城県白石町の町長が町の年間予算である10万円(当時はこんな金額であるから驚きである)を利息でまかなう案を提案した。
100円を郵便局に預け、元利金で200万円を超え、その利息で予算が賄えるまで「203年間手をつけるな」と遺言をしたが、それから80年、その貯金は3500円にしかなっていない。
これは戦後を挟んでいるので極端な例ではあるが、金利上昇が、物価上昇に勝つことは長期的には難しいのである。

つまり銀行や郵便局にお金を預けていてもお金の価値がどんどん下がっていくということ。

現役で働いている時代は物価の上昇も給料のアップで賄うことができた(そうでない人も大勢いるが)。

しかし年金生活者ともなると物価の上昇分は預貯金の取り崩しによらねばならない。
人生80年と言われているが65歳まで生きた人の平均余命は女性で88歳。
平均であるから、これからは90歳以上の人が山ほどいることになる。
その上医学の進歩により更に寿命が延びることも予想される。

長生きした時の老後資金は大丈夫であろうか?

時を経るに従い物価上昇分だけ預金の残高をすり減らし生活しなければならないとなると長生きが大きなリスクになる。
自分が働けないのならお金に働いてもらうことを早く始めるべきである。
今すぐ始めるか?先延ばしにするか?は自分次第。

しかし、この行動格差が結果、格差を生んでしまうかもしれない。
そんな自己責任時代である。

100歳になっても不安を抱えず生きていたいものである。